いなげや(成瀬直人社長)は、惣菜を柱に生鮮を強化する既存SMの改装を前期は51店で実施した。今期も60店の改装を計画している。一方前期は三浦屋の3店を含めてSM8店を新設したが、今期も3~5店の新設を計画している。このほか小型ディスカウントSM「エスビィ(ESBI)」とDrug.S「ウェルパーク」をコラボさせた実験店を2店開設する予定で、新たな業態づくりに挑戦する。
改装効果について成瀬社長は、「買物が楽しくなったというお客さまの声を多く聞くようになった。このため既存店も3.8%増と堅調に推移した。その前の期も3.4%増だったことから2期連続で既存店はプラス成長を続けている。これを牽引しているのが惣菜の強化である。とくに上期は好調だったが、下期からは景気低迷の影響を受けてやや伸びが鈍くなっている。今期はさらに新しい商品を開発することなどで再度商品力強化に取り組む。こうした改装は、今期以降も毎年60店ペースで推進する」と説明する。
一方新店は、昨年9月オープンの「新ゆり ヨネッティー王禅寺前店」(川崎市麻生区)、12月オープンの「ブルーミングブルーミーららぽーと立川立飛店」(東京都立川市)で新しい売場づくり、商品構成に挑戦した。
「王禅寺前店で取り組んだ新しい挑戦で、成果のあったものを立川立飛店に導入した。両店共に業績は順調に推移している。従来のSMになかった新しいことに挑戦している。このため短期的視点よりも、中長期的視点でじっくり腰を落ち着けて効果を積み上げていく」(同社長)としている。
なお今期は既に「金町店」(東京都葛飾区)を4月9日にオープンしたほか、6月22日に「東村山プロセスセンター」(東京都東村山市)を稼働させる。同センターの延床面積は1285坪で、投資額は38億円となっている。いなげやの精肉PCと三浦屋の惣菜を中心とする惣菜PC機能を担う。なお設備投資は前期の105億円に続き、今期は85億円を見込んでいる。
日刊流通ジャーナル2016年5月19日号より抜粋