イオンのGMS事業の中核企業であるイオンリテールは、16年11月第3四半期の営業収益が1兆6108億円(1.5%増)、営業損失222億円(前年同期は235億円の赤字)だった。
期中の投資額は540億円で、このうち既存52店の活性化に366億円を投じている。GMS4店を新設する一方、3店を閉鎖した。GMS344店のうち、37店舗がイオンスタイルとなっている。
既存店は1.6%減だが、10月・11月は前年をクリアした。11月は午後6時以降の売場を強化する「まいにち夜市」の展開を全国に広げたほか、25~27日に実施した新セール「ブラックフライデー」では3日間の売上が15.1%増となった。
イオンリテールの岡崎双一社長は、「ブラックフライデーは売上だけでなく利益面の寄与も大きかった。直後の曜日セールも予算をクリアし、需要先取りの影響はほとんどなかった。来期も内容をブラッシュアップして取り組みたい」としている。
グループ各社に移管したダイエーのGMS66店のうち、15年9月に実施した37店舗は、第3四半期に入り前年実績を上回っている。イオン北海道の8店は10.9%増、イオンリテールストアの5店は3.1%増、イオンストア九州の24店は4.4%増だった。
16年3月にイオンリテールストアが継承した29店は、第3四半期も3.1%減と前年を割り込んだものの、マイナス幅は縮小している。ダイエー当時の旗艦店の活性化も進んでいる。イオンスタイル東戸塚(横浜市戸塚区)は、年末まで3カ月間の実績が10%増となった。イオンスタイル碑文谷(東京都目黒区)は、7フロアの営業が4フロアとなるなか、2週間の実績が13%増となっている。なお、今春には残り3フロアのリニューアルオープンを予定する。
日刊流通ジャーナル2017年1月18日号より抜粋