西友(上垣内猛CEO)はネットスーパーとリアル店舗の双方で、顧客のニーズに対応していく。ネットスーパーの採算の問題があるが、「今後も確実に伸びが見込まれることから、企業トータルでニーズに応えていく」(上垣内CEO)考えだ。30代の子供がいる有職主婦をターゲットに、鮮度、品質を担保したうえで、低価格を打ち出す。価格戦略のカギを握るPBは「みなさまのお墨付き」を中心に好調で今年度、10%増の目標を掲げる。さらに6カ月間、価格を凍結するプライスロックは第9弾を実施している。
16年度の既存店は1.9%増で、3年連続、前年をクリアした。着実に客数が伸び、マーケットシェアの改善が進んでいるという。14年度の既存店は4.3%増、15年度は2.8%増だった。今年度についても、前年クリアを続けたい意向だ。
「生鮮強化の取り組みで、ピークタイムの午後5時に欠品をなくすことと連動した3時からの鮮度パトロールで、信頼を獲得している。昨年9月にはウォルマートの調達網を活用して導入した高品質のアメリカンビーフが好評で、生鮮・惣菜は2%の伸びをみせた。味・品質・価格・量を重視したPBも15.6%増となった。
SEIYUドットコムは作業場とリアル店舗を一体化したハイブリッド型の豊玉南店(東京都練馬区)を開設し、都市部での拡大を進め20%増となった」(上垣内CEO)
一方、16年度はSM20店と大型店30店の改装を実施した。改装店の食品は12%の伸びをみせている。
衣料品、住関連は有力専門店とのパートナーシップづくりを進め、100円ショップ、カジュアル衣料、家具専門店などを導入している。北海道地区の4店は17%増となった。
大型店改装プロジェクトによって、「食品強化に加え、専門店の導入による非食品の最適化によって、館全体の客数、魅力を高め、売上および収益の拡大を目指す」(同)という。
17年度は30代の有職主婦をコアターゲットとし、この層の声を吸収する。それを明確にアピールするうえで、「やっぱコスパ」をキャッチフレーズにした新CMを放映する。子供が食べても気にならない鮮度、品質で信頼を獲得しつつ、コストパフォーマンスがあるというイメージである。
「1円でも安く、鮮度が良く、お金、時間を節約し、店舗、ネットも買い回りがしやすいという形で期待に応えていきたい」(同)
6カ月間、価格を凍結するロックプライスは第9弾として、2月23日から350品目を新規対象商品に追加し、5割以上の201品目は値下げを実施した。
特に、生鮮のアイテムを広げ、オレンジや挽き肉など15品目を継続するほか、バナナ、殻付き無頭えび12尾入りなど6品目を新規投入した。プライスロックは今年で3年目を迎え、延長している商品を加えた現在の対象品目は過去最大の300品目となった。
日刊流通ジャーナル2017年3月17日号より抜粋