イオン(岡田元也社長)は今年度からの3カ年の中期経営計画で、GMS、SMの構造改革を完遂をする。現状の事業の整理を経て、新しい事業の可能性を検討し、2020年以降の持続的成長につなげる。その一環で物流・ITのインフラを見直し、事業ごとに最適な基盤を構築する。17年度上期にAIを活用した自動補充システムをSM、小型店に導入する。岡田社長は「これからの投資は従来の店舗、事業所ではなく、新しいIT、物流、センター、商品開発や教育にシフトしていく」と語った。
新しい3カ年計画は、これまでのグループの課題を改善することが前提となる。
「この6年、グループの構造改革に取り組んできたが、この間の組織の官僚化、現場の弱体化、事業会社の弱体化を起こさないことがポイントとなる。一番大きかったのは11年の東日本大震災で、ここでGMS改革が振り出しに戻った。11年度、12年度と業績が良かったことで立ち遅れた。消費税増税の対応もまずく、そのインパクトを引きずってきた。その後、脱デフレが国の目標になり、インバウンド消費が派生したが、官僚化、現場の弱体化で十分な対応ができなかった。これからネットへの対応やシニアだけでなく、ミレニアム世代を含め、家族を守るため、きちんと対応していかなければならない。そのひとつでディスカウント事業を手がけ4000億円を超える規模となっている。専業のチェーンと比べても、遜色がなく、きちんと仕上げていく。遅れていたネットもイオンリテールを中心に取り組んでいる。アジアシフトも新興国を含め手を打ちつつあり、グループとして3カ年計画で新しい形に仕上げたい」(岡田社長)
中期計画はイオンリテール、ダイエーの構造改革の完遂、新たな成長に向けたグループの構造改革が柱になる。新たな成長戦略では物流・ITを再構築したうえで、成長市場・分野を再定義し、新規事業を確立する。
日刊流通ジャーナル2017年4月14日号より抜粋