
大寿(川崎市中原区、大野孝将社長)は正しい食と楽しい食の2つの軸をテーマに、独自のMDを追求している。生鮮は全国の生産者との連携でトレースが明確なもの、加工食品も国産原料、遺伝子組み換えを使っていないものをコンセプト商品と位置づけて提供している。また全国の地域に埋もれた商品を発掘し、全国お取り寄せをテーマにした販促が好評だ。こうした生産者、製造業者による商品は競合店に出回ることがなく、適正価格で販売され、製造、小売、消費者の3者がメリットを享受している状況だ。
SM3団体の月次統計発表に、大野社長がゲストスピーカーとして出席し、商品戦略、店舗戦略について説明した。
大寿は近年、タワーマンションやSCの新設で注目を集めるJR南武線および東急東横線の武蔵小杉駅近隣を拠点とする。大野屋の屋号でSM4店とSCのテナントで食のセレクトショップ大野屋商店2店の6店を展開している。
1936年に本店がある武蔵小杉に燃料店を創業し、戦後、食品小売業に転じた。店舗のあり方について、大野社長は次のように語った。
「常においしい、楽しい、幸せ、潤いのある食生活の提案と心地よい買物の時間をお客さまに提供して、毎日の大切な食卓を支える地域の食の専門店を目指している。お客さま、お取引先さま、生産者のみなさまに感謝の気持ちをもって接し、食のプロとしてより良い食品をお客さまに伝えるという役割を果たそうとしている」
日刊流通ジャーナル2017年6月1日号より抜粋