
ファミリーマート(澤田貴司社長)は、「Sランク」と位置づける重点商品を軸に、販促・広告・店舗オペレーションを改革する。この取り組みの第1弾としてフライヤー商品の「ファミチキ」、新カテゴリーの「焼きとり」を核にカウンターのFF惣菜を「ファミ横商店街」のコーナー名に刷新する。広告活動は、商品ごとに訴求していた従来の方法を改め、ファミチキをイメージしたキャラクター「ファミチキ先輩」を中心とするシリーズ形式に一新し、ファミリーマート全体のブランディングにつなげる。
Sランク商品は、中食をはじめとするオリジナル商品を対象とする。これまではカテゴリーごとに刷新を進め、中食全体の底上げを優先してきた。また、従来の広告コミュニケーションは商品を軸としたもので、販促キャンペーンは値引きを中心とした企画を多用してきた。今後の広告はファミリーマートの全体的なイメージを印象づけるストーリー形式のものに変え、販促では値引き企画そのものを削減していく。
澤田社長は、新たなマーケティング方針のねらいについて、次のように語った。
「商品軸の広告コミュニケーションは他社と同質化したものになりがちで、強い印象を残せない。これまでにない発想で面白いことをどんどん仕掛け、ファミリーマートが心に残るようにしたい。内容の変更に加え、CM投下量を従来の2倍に増やす。一方、値引きを中心としたキャンペーンは、今期中に半減させたい。頻繁に行うキャンペーンのたびに、店舗では販促物を付け替える業務が発生し、負担となっていた。働き手の不足が深刻化するなか、業務を減らすことで働きやすい環境をつくることも求められている。販促を減らすことが客数に響かないよう試行錯誤を続けている段階だが、やれそうな手応えは感じている」
日刊流通ジャーナル2017年6月7日号より抜粋