新たな経営体制のもと、同質競争から脱却を図る
国分(國分勘兵衛会長兼社長)は16年度、卸基盤を再構築してヘッドクオーターの国分と7つのエリアカンパニー、2つのカテゴリーカンパニーの新体制へ移行し、新たな5カ年計画をスタートする。流通をソリューションビジネスととらえ、卸として最適流通機能を充実することでコスト競争力を高めるとともに、小売・メーカー双方の多様なニーズに対応する食のマーケティング機能を発揮し、同質競争からの脱却を図る。
15年度は5カ年計画の最終年度で、卸基盤の再構築を完遂すると同時に、事業領域の拡大を進める。
國分会長兼社長は14年度の取り組みを踏まえ、15年度の方向性について次のように語った。
「小売の再編など流通が大きく変化する中、対応に苦慮するところもあったが、14年度は4期連続の減益に歯止めがかかった。次期長期経営計画に向け、14年度から卸基盤の再構築を進めている。卸の最適流通機能を充実することでコスト競争力を高める。同時に流通をソリューションビジネスととらえ、マーケティング機能を高度化して同質競争から脱却する」
16年度に向けた新たな体制づくりで1月、組織を改編し国分本体はヘッドクオーターとしての役割を明確化した。業務本部と営業本部を廃止して経営統括本部を新設し、営業統括・マーケティング、MD統括、物流、国際など7つの事業領域に再編した。
新設したマーケティング部はチャネル別の販促企画、商品開発、マーケットリサーチなどを担う。メーカーのマーケティング部門と連携しながら独自の機能に昇華させ、売場提案力を高める。
物流の機能強化で2月、板橋総合センター(東京都板橋区)を稼働した。ドライ商品の一括物流「3OD」をドライ・チルド・生鮮・冷凍の全温度帯をカバーする「3OD+(プラス)」へ進化させた。今秋には茨城総合センター(茨城県石岡市)、仙台総合センター(宮城県仙台市)、16年初頭に西東京総合センター(東京都昭島市)を竣工し、3温度帯の大型汎用センターを整備する。また、首都圏の惣菜事業の中核を担うデリシャス・クックは既存の千葉工場(千葉市)を移転し1月、生産能力を2.5倍に高めた習志野工場(千葉県習志野市)を開設した。
国分晃副社長は、「将来の事業領域拡大を目指し、今期までの5カ年で580億円を設備投資した。当初、初期投資の負担増で業績は苦戦したものの、フルラインのノウハウ蓄積が進み新たな成長に向かう体制が整いつつある。引き続き、重点的に低温・菓子・フードサービス・物流・海外事業へ経営資源を投入する」と語った。
週刊流通ジャーナル2015年4月13日号より抜粋