1兆円体制に向けシステム基盤を構築
アークス(横山清社長)は、東北の事業会社「ジョイス」と昨年9月にグループ入りした「ベルプラス」を今期中に経営統合する。また北海道では、「道東アークス」と「篠原商店」との合併も計画している。こうしたグループ内組織の再編に加え、3月1日からスタートさせた3回目の千日計画「新新千日計画」(最終日2017年11月24日)では、売上高1兆円をめざしたシステム統合基盤を構築するプロジェクトを立ち上げた。これに関連して今期の投資額は過去最大の108億円を計画している。
ベルプラスのグループ入りで岩手県でのアークスグループの売上シェアは39.6
%と断トツの№1となった。ユニバースが強固な地盤を築く青森県も29.2%と30%目前だ。北海道は26.5%といずれも№1である。
こうした北海道、北東北でのシナジー追求と、次の目標である1兆円体制をめざして、今期からシステム統合に向けた基盤構築プロジェクトを立ち上げた。
具体的には今期、同社過去最大規模の108億円を設備投資に充当させる。通常の新店、改装に加え、システムに30億円、照明のLED化に14億円を投資する。
前期はラルズが地域活性化のモデルとなる「室蘭中央店」(室蘭市)を含め2店を新設、ユニバースが5店をリプレイス、道北アークスがスーパーアークスに2店を業態転換、グループ各社が11店を改装、2店を閉鎖し、期末店舗数を319店としている。設備投資は88億7100万円に達した。
今期は、7店を新設、2店をリプレイス、改装を8店前後計画している。
なおこのうち、旭川市を拠点とする道北アークスが、生鮮センター(DaMC、道北アークスマザーセンター)を完成させたことに絡み、旭川市周辺の農協店舗跡を利用した売場面積100坪から150坪の小型店を5月、連続オープンする。生鮮のほとんどをセンターから供給する予定だ。
今後のM&Aについて横山社長は、「相談を受けている企業は複数あり、5年先、最近では3年先の経営環境を見通してグループ入りを要請されている。目下慎重に検討中だ」と語る。
日刊流通ジャーナル2015年4月23日号より抜粋