
ココカラファイン(塚本厚志社長)は3月13日、住宅地型の150坪型のモデル店「中延店」(東京都品川区)をオープンした。野菜の導入をはじめ食品を充実させたほか、話題性・季節性商材のプロモーションを強化し来店頻度を高める。限られた売場面積での出店や今後の高齢化を見据え、小商圏で成り立つフォーマットの構築を目指す。
野菜やプロモーションで来店頻度高める
ココカラファインは昨年、店舗を都市型、商店街型、住宅地型、郊外型の4つに分類してそれぞれに適した商品施策と販売促進策をおこなっている。中延店は、この住宅地型の小商圏対応のモデル店を目指した。
東急池上線の荏原中延駅と旗の台駅、東急大井町線の荏原駅と中延駅の4駅の中間の住宅街に位置し、売場面積は150.5坪とした。駅周辺や駅前商店街にはココカラファインやトモズといったドラッグストアのほか、東急ストアやまいばすけっとなどのSMもある。同店は住宅街の生活者が駅まで行かなくても日常の必需品を満たせる利便性の高い店作りを志向する。
これまで住宅地型の同規模店は商圏1㎞だったが、中延店は500mに設定した。OTC、化粧品、日用雑貨品から食品まで幅広い品揃えで、来店頻度を高める。隣接するコンビニエンスストアとは、食品や酒類などの価格訴求で棲み分けを図った。

メインターゲットはドラッグストアの主要客層である20代後半~40代だが、5~10年先の高齢化の進行を見据え、高齢者にもやさしく、「おもてなし」の精神に基づく店づくりを目指した。
入口付近は、購入したOTCをすぐに服用できるよう、ココカラファインの店舗で標準的に導入するウォーターサーバーに加え、コピー機を導入した。通路幅はカートやシルバーカー、車椅子などがすれ違えるように十分な広さを確保している。
入口に近いビューティケアや日用品の陳列什器の高さを抑え、高齢者や子供でも商品を手に取りやすくするとともに、売場奥の医薬品や食品売場が見渡せるようにした。壁面には「食品」「飲料」「お酒」などの表示を大きくし、視認性を高めた。
将来的に精肉の導入も検討
目的来店性を高めるため、食品は和洋日配やグローサリー、調味料類を充実させるとともに野菜を導入した。ゴンドラ2本のチルドケースは葉物、常温は根菜を中心に陳列する。これらは業者が週2~3回納品すると同時に、価格設定やディスプレイも合わせておこなう。売上と同時に仕入が立つ仕組みで廃棄ロスのリスクが少ない。
ドラッグ事業部の齋藤健二統括店長は「駅近辺まで赴いて必需品を買い求める住民が多く、可能な限りワンストップで買物を完結できる店を目指した。利便性商材の野菜はこれまで200坪以上の店で展開していたが、今後は中延店と同様、売場面積の小さい店舗にも導入し、小商圏ニーズに応えたい。将来的には精肉の導入も検討している」という。

日刊ドラッグストア 2015年4月30日号より抜粋