伊藤忠食品(星秀一社長)は卸としてメーカー商品の販売、物流の基幹業務に加え、№1、オンリーワン分野を強化し、安定収益を確保する企業基盤づくりに取り組んでいる。ギフト、ブランドの商品開発、営業力強化によって、差別化を図る。直近の取り組みで、「地域産品プロジェクト」を商標登録し、個店別の品揃えの提案を強化しているほか、商品調達機能の強化で健康食品・非食品のアイケイと資本提携した。さらに電通の子会社のアップテーブルの株式49%を取得し、ノベルティをはじめ、セールスプロモーション分野に参入する。
星社長は、自社の業容のあり方について、次のように語っている。
「基幹業務に何を付け加えるかによって、問屋ごとに特徴が現れている。当社はカテゴリーを増やすより、長くやってきたことを深堀りしていく。生鮮、惣菜も手がけているが、大きな投資は考えていない。一方、通販、ECの得意先に冷凍、チルドの配送の投資は必要ないので、少しずつ売上をつくっている。得意先のインストアシェアの拡大、オムニチャネルにどう対応するかは、これからの課題である」
強みであるギフトとブランド事業に加え、地域商品、健康・非食品、セールスプロモーションの開拓に取り組んでいる。
「商標登録した地域商品プロジェクトは自治体、行政、銀行と連携し、販路の拡大に向け、社内向け商談会を実施している。得意先も各地区の嗜好への対応や個店別品揃えの強化が課題となっており、少しずつ地域商品の売上が拡大している。ブランド事業部はシェフやさまざまなブランドの名称を借りて、商品を開発し、販売している。いまブランド数は26になった。この上期は『料理王国』の新商品を発売する。スイーツ、健康志向の惣菜などを開発すると同時に、営業を強化し、事業部として売上高50億円を目指す」(星社長)
日刊流通ジャーナル2015年5月12日号より抜粋