田代社長、2015年度からの新3カ年計画を語る
バロー(田代正美社長)は、2015年度からの新中期3ヵ年計画で、スーパー(SM)、ドラッグストア(Drug.S)の積極出店による規模拡大を継続すると同時に、商品構成の抜本的な変革による競争力の強化をめざした既存店改装に取り組む。2015年度は40店の改装を予定している。年間の出店ペースは、スーパーで10店以上、ドラッグストアで30店以上、ホームセンター(HC)で1〜2店を計画している。
既存店の改装を戦略上の重点課題に
新中期3カ年計画では、SMの積極的出店を継続すると同時に、Drug.S、HCの業容拡大をめざす。計画の最終年度となる2017年度の数値目標は、売上高で5500億円、営業利益で210億円、経常利益で220億円、純利益で130億円、経常利益率4%をめざす。
「新中期3ヵ年計画では、戦略の重点を既存店の改装に置く。この3年間は、次なる成長に向けての基盤確立の時期と考えている。リセットしなければならない部分も数多くある」(田代社長)としている。
今期は40店の改装を計画しており、4月末に改装オープンした売場面積700坪型の「豊橋店」(愛知県豊橋市前田南町2-17-2)を新しい商品構成のモデル店と位置付けている。
「同店は計画通り好調に推移しており、これからのバローにとって新しい商品構成の基本になる。改装のポイントは、SMが本来めざすべきレイアウトを導入したことと、強いカテゴリーを集積させたことである。
オーバーストアでなかった時代は、標準的なSMがお客さまに支持された。だがオーバーストアが進むと、カテゴリーキラー的な業態やそうした要素を集積させた業態が伸びる。例えば当グループのタチヤは、生鮮のカテゴリーキラーとしてお客さまの大きな支持を得ている」(同社長)という。
さらに同社長は、「中期計画では、商品力、とくに生鮮の強化を最も重視している。精肉はPCネットワークが今期中に完成することで収益性が格段に高まっている。鮮魚についてはまだまだ付加価値を付けられると考えている。このため新しい研修センターの建設を計画しており、人手をかける部分には人手をかけて競争力を高めていく。青果については、安定した集荷能力を持つことが課題で、アグリビジネスにも本格参入している。これからのバローがめざす方向は、青果と鮮魚に特化した強いSMである」と語る。
なおバローは今期、山梨県甲府市に出店することで12県にSMを展開するリージョナルチェーンとなる。
「SMとしてはエリアを広げ過ぎる嫌いもあるが、それを物流インフラが支えている。今後はドミナントの構築にも配慮していく」(同社長)という。
日刊流通ジャーナル2015年5月18日号より抜粋