14年度決算 即食系商品群の寄与で2ケタ増益
サミット(田尻一社長)は即食型商品を強化したMDが顧客に受け入れられていることを確認している。3月下旬にオープンした東中野店(東京都中野区、675坪)は最新のMDを集大成し、予算比2割増で好調に推移している。全社的にパートの確保が困難な状況にあるが、惣菜化した付加価値商材の支持が高く、作業にメリハリをつけ、現状の人件費比率とMDを維持していく方針だ。田尻社長は、「いまのSMは価格、品質、MDのいずれかで特徴を打ち出さなければ生き残っていけない」ことを指摘している。
16年度までの3カ年計画で、既存店の改修および新MDの導入を進め、着実に効果が現われている状況にある。15年度はポイントの付与率を変更したが、ポイントカードをツールとして顧客の変化を実感しているという。
「お客さまは、どこに行っても買物ができ、サービスが受けられる状況で、どういう特徴を打ち出すかという競争に変わってきている。当社だけが、特別なことをやっているわけではない。どこも、お客さまに認知されるための施策を考えている。3月末にオープンした東中野店は集大成的な売場で、ここの数字をみて、次なる施策を考える。現在、予算を2割、上振れし、オペレーションが追いつかず、お客さまに迷惑をかけている。マンアワーが不足し、コストが高い社員、派遣社員を投入している」(田尻社長)
SMの売上高は0.1%増で実質増収
3月期連結決算は惣菜、デリカをはじめ、売上総利益率の高い商品が好調に推移したことで、実質増収2ケタ増益となった。
営業収益は1.0%減の2556億6100万円、営業利益47.5%増の48億6200万円、経常利益は53.4%増の45億7900万円、当期純利益は162.5%増の23億5500万円である。営業収益は駆け込み需要の反動に加え、書店事業からの撤退で1%減少したが、新店の寄与もあり、SMの売上高は0.1%増の2339億6800万円で実質増収だった。
既存店は客数2.2%減、客単価0.9%増の1.3%減となった。客数の減少はポイントの付与率変更が響いたもので、想定通りだったという。売上総利益率は惣菜、ベーカリーをはじめ、値入率の高い商品が伸びたことで0.8P増の28.2%となった。惣菜、ベーカリーの売上構成比は0.8P増の10.3%で、初めて2ケタ台に乗った。
日刊流通ジャーナル2015年5月21日号より抜粋