森永乳業の15年3月期連結決算は、円安や原材料価格の高騰が響き減収減益となった。売上高は0.7%減の5948億3400万円、営業利益は43.2%減の68億0500万円、経常利益は33.6%減の82億3200万円、当期純利益は14.0%減の41億6400万円である。
三浦幸男専務取締役は、「14年度の期初の段階でコストダウンによって原材料価格のアップをカバーできるとみていたが、円安や原料乳価格高騰が想定以上に進んだ。経常段階の減益42億円の内訳は上期が45億円の減益、下期が3億円の増益で、価格改定.容量変更が遅れた」と語った。
部門別で、市乳は売上高2029億8900万円(0.7%減)だった。内訳は牛乳類が733億3600万円(0.3%増)、乳飲料等が629億7200万円(1.4%減)、ヨーグルトが519億0400万円(1.3%減)、プリン等が147億7600万円(0.9%減)となっている。牛乳類のうち、中核の「森永のおいしい牛乳」は前の期並みで、乳飲料の「あじわい便り」が好調だった。乳飲料等はチルドカップコーヒーの「マウントレーニア」シリーズが4%増と伸長した。一方、「リプトン ミルクティー」や「ピクニック」などが苦戦した。
ヨーグルトは主力の「ビヒダス」シリーズが2%減、「森永アロエヨーグルト」が8%減だった。ギリシャヨーグルトの「パルテノ」は35%増で28億円となった。「パルテノは着実に拡大しており、生産がタイトになってきている。大手流通グループがヨーグルトのひとつのカテゴリーとして育成する方針を掲げており、生産体制の増強を検討していきたい」(三浦専務)
週刊流通ジャーナル 2015年5月25日号より抜粋