
ドン・キホーテ(大原孝治社長)は5月29日、東京都港区にプラチナ ドン・キホーテ白金台店を開設した。都心の住宅立地をターゲットとした新タイプの実験店で、青果と精肉、惣菜を含む食品を主体とした高頻度商品に特化した。価格訴求やハイゴンドラによる圧縮陳列などドン・キホーテ独自の売場づくりをベースに、上質感を付加する。直営の青果と惣菜は、長崎屋が運営するMEGAドン・キホーテやコンビニエンスストアを志向する驚安堂のノウハウを活用し、ドン・キホーテへ導入を進めている。
同店は東京メトロ南北線・白金台駅から南西へ100mの幹線道路沿いに位置する。グループ会社が土地・建物を取得した。多数出店している繁華街立地と異なる住宅街立地で展開する狭商圏型の新タイプと位置づけている。
上質感の演出で、店舗外観は白とシルバーを基調とし、ユニフォームを含め既存のドン・キホーテと差別化を図った。プラチナ ドン・キホーテの取り組みについて、東京中央支社中央ブロックの池上維彦統括店長は「圧縮陳列や導入部の価格訴求コーナー、曲線を取り入れた導線など、ドン・キホーテの特徴をベースに、高級感を付加した店づくりを目指した。30~60代の主婦層をターゲットに、食品を中心とした高頻度商品を主体にアソートした。24時間営業や加工食品の価格訴求で近隣のSMとの差別化を図る。どのようなMDが受け入れられるか検証しながらフォーマットを確立する」と語った。
売場面積286坪で、4万アイテムを取り扱う。青果と惣菜のほか、加工食品、コンセの精肉を含め食品で65%、キッチン雑貨や日用雑貨、実用衣料、ペット用品などノンフーズで35%の構成となった。生鮮で鮮魚は取り扱っていない。食品は1割程度を上質商品とし、家電やブランド品などはカットした。
青果・惣菜の取り組みについて、第四営業部の仲村守人ゼネラルマネージャーは次のように語っている。
「長崎屋を業態転換したMEGAドン・キホーテや、コンビニを志向する驚安堂を中心に取り組んでいる。ニーズの変化に対応し商圏に合わせた店別の最適なMDを追求するうえで、生鮮・惣菜にチャレンジしている。商品開発などを進めている段階で、まだ仕組みとして整備し切れていない。徐々にノウハウを蓄積し、レベルアップしていきたい」

惣菜 店内加工の米飯は3つの価格帯で品揃え

惣菜は弁当類10アイテム、手づくりおにぎり7アイテム、焼そばやから揚げ、餃子など10アイテムを店内調理し、ベンダーが供給するチルドのめん類やサラダ類など集積した。弁当は200円の「ジャンボメンチカツ弁当」や「鮭のっけのり弁当」、398円の「ロースカツ丼」や「焼き鳥照り玉丼」、598円の「海老フライ重」、「厚切りロースカツ弁当」など3つの価格帯で展開する。
グローサリーはハイゴンドラと単品大量陳列で圧倒的なボリューム感を演出し、酒類や冷凍食品、調味料などは上質商品を挿し込み、品揃えの幅と奥行きを追求した。冷凍食品は低糖質ふすまパン(830円)やエスカルゴ(1180円)、輸入ピザ(498円)などを揃えた。ココナッツオイルやアサイー、チアシードなどを使用した食品、ドライフルーツなど90アイテムを集積してスーパーフードコーナーを展開した。
年商は25億円を目標とし、売上構成比は食品で60%を想定している。
<店舗概要>▽所在地=東京都港区白金台3-15-5▽売場面積=945㎡▽駐車台数=5台▽駐輪台数=48台▽営業時間=24時間
日刊流通ジャーナル2015年6月5日号より