横浜冷凍(吉川俊雄社長)は今期をスタートとする中期経営計画で、今期までに構築した経営資源を有効活用し、安定的な成長を目指す。14年9月期は国内で石狩第2物流センター(北海道小樽市)、夢洲物流センター(大阪市此花区)、タイでワンノイ物流センター2号棟を竣工した。今期は14年10月に都城第二物流センター(宮崎県都城市)を竣工した。南九州エリア7番目の拠点で、農産.畜産品の集荷力を向上した。タイでバンパコン第2物流センターを建設している。冷凍.冷蔵倉庫を基盤に通関業務や物流を融合し、一貫物流の提案を強化する。

3月第2四半期連結決算は、物流センター4カ所の新設で貨物取扱量が拡大し増収となった。一方、減価償却費や備品費用の増加で減益となった。売上高は10.0%増の749億8300万円、営業利益は31.7%減の18億2300万円、経常利益は29.9%減の18億5600万円、当期純利益は30.0%減の11億2900万円である。
セグメント別で、冷蔵倉庫事業は売上高119億4900万円(8.2%増)、営業利益25億3900万円(11.2%減)だった。新設センターの寄与で保管料や荷役料が増加したほか、新たな取引先で運送収入がアップした。一方、4センターの減価償却費が3億6400万円のほか、一時経費などが増加し減益となった。なおタイは、ワンノイ物流センター2号棟がフル稼働し売上高は41.3%増だった。貨物取扱状況は、入庫取扱量1万1000t(1.9%増)、出庫取扱量9000t(1.5%増)、平均保管在庫量9万6000t(6.3%増)となっている。
「減価償却費の増加は織り込み済みで、冷蔵倉庫事業は計画通りに進捗している。特に国内の夢洲とタイのワンノイ2号棟は集荷が進み、通期では計画を上回ると想定している」(吉川社長)
食品販売 管理の徹底で収益改善へ
食品販売事業は売上高630億1700万円(10.4%増)、営業利益2億6300万円(65.2%減)だった。農産.畜産.水産とも全般的に相場高で推移したものの、14年秋以降の急激な円安が響き増収減益となった。部門別で、水産はカニがロシアの輸出規制の強化で品薄になる中、輸入ルートを開拓して取引量を拡大し、ホタテは輸出が好調だった。一方、主力商材のエビとサケは単価が下落し、取引量を抑制したことで苦戦した。畜産はポーク、チキンともメーカーの需要が大きく売上が伸長した。
円安による減益要因の早期解消を目指し、4月に在庫の圧縮を進めた。また、組織再編で管理と営業の専任担当部長を配置した。管理担当は在庫や取り引きのモニタリングなどリスクコントロールに取り組む。営業担当は産地と販売先の融合を図り、商材ごとにメリハリをつけた営業を推進する。これらによって収益改善を進める。
「水産は商材によってメリハリをつけた営業に取り組んだものの、エビとサケの取扱量を抑制したことが響いた。また14年夏以降、農産.畜産.水産とも国産志向がより強くなっている。国産商材の集荷により力を入れていかなければならない」(同社長)
週刊流通ジャーナル2015年6月1日号より抜粋