スライス プレミアム商品で独自性を打ち出す


明治はチーズを強化カテゴリーと位置づけ、オリジナリティを打ち出せる商品開発に取り組んでいる。カットタイプのナチュラルチーズを提案した「明治北海道十勝ボーノ」シリーズや、ポーションタイプの「明治北海道十勝スマートチーズ」シリーズなどが定番商品として定着した。今春は「明治北海道十勝贅沢スライス3Wayタイプ」2商品と、「明治北海道十勝パルメザンチーズ」を発売した。コモディティ商品化が進むスライスチーズで、圧倒的な味わいの差別化を提案し、パルメザンチーズは国産で価値訴求する。
食品営業部マーケティング1グループの北泰大氏は、商品開発の方向性について「コモディティ商品化が進むと価格競争になる。一方で、国産乳原料は生産量が減少し、バターの品薄にみられるように、不足してきている。当社の独自性を訴求できる商品開発に力を入れている。これまでに、ポーションタイプのスマートチーズや、切り出したナチュラルチーズのボーノなどが他にない商品として定着した。今春の贅沢スライスは低価格化が進んでいるスライスチーズで、プレミアム化をねらった。従来も価値訴求型のスライスチーズはあったが、北海道・十勝産の原料チーズを活用し、当社の技術力を駆使して圧倒的な差別化商品を目指した。味の違いが鮮明にわかる設計で、新たな需要を掘り起こしたい」
「贅沢スライス3Wayタイプ」は味わいに加え、通常のスライスチーズに比べ2g多い1枚あたり20gに設計した。ネーミングの3Wayはのせて焼く・挟む・直食の3つの食シーンを想定した。「うまみ濃厚チェダーブレンド」と「かおり濃香パルメザンブレンド」(ともに7枚入り)を発売し、総じてバイヤーの評価は高く、導入率は高水準という。直近の実勢売価は通常の商品と比べ50円以上高単価なため、トライアルの喚起が課題という。
14年度のチーズは好調で、特にスマートチーズと「明治北海道十勝カマンベールチーズ」の伸長率が高かった。「ボーノ」は下期にパッケージリニューアルした後、動きがよくなり前年をクリアした。スライスチーズは数量ベースで前年割れだったものの、金額ベースでは前年をクリアした。上期は容量変更と消費増税の影響で苦戦したものの、下期は回復した。このほか、ポーションタイプは主力の「明治北海道十勝6Pチーズ」を中心に伸長し、一口タイプのチーズデザートは堅調だった。
今期も引き続き、好調を持続している。「スマートチーズ」や「ボーノ」、「贅沢スライス3Wayタイプ」、「明治北海道十勝パルメザンチーズ」など独自性のある商品を中心に力を入れる。
週刊流通ジャーナル2015年6月29日号より