
モッツァレラで商品群を形成 認知拡大めざす
森永乳業は、モッツァレラの拡大に取り組んでいる。ナチュラルチーズの「クラフト フレッシュモッツァレラ」は2ケタ伸長を続けており、生活者の認知が拡大している。スライスやカルトン、ポーションなどのプロセスチーズを含め、モッツァレラ商品を拡充し、コアカテゴリーとして育成する。
14年度のチーズは金額ベースで5%増だった。ナチュラルチーズでモッツァレラが10%増だったほか、プロセスチーズのスライスが1%増、クリームチーズが1%増、ポーションタイプの6Pがチーズデザートを含め20%増などとなっている。大半の商品は消費増税の反動から4月中に回復し、クリームチーズやパルメザンチーズなど影響が大きかった商品で3カ月程度だった。
ポーションタイプは6Pチーズで、クリームチーズとカマンベールチーズをブレンドした「クラフト 贅沢チーズブレンド6P」を投入したほか、チーズデザートの「クラフト 小さなチーズケーキ」シリーズを再強化したことが奏功した。「小さなチーズケーキ」は通年商品の「プレーン」と「ブルーベリー」に加え、四半期ごとに改廃する「世界の国から」シリーズを展開している。また近年、微減傾向が続いていたカルトンは「クラフト 切れてるチーズ モッツァレラ」を発売し伸長した。15年度も前期のトレンドを継続しているという。
今期はモッツァレラのいっそうの拡大を目指す。「フレッシュモッツァレラ」を核とし、既存のスライスチーズ「クラフト ワールドセレクトモッツァレラスライス」や、「切れてるチーズ モッツァレラ」に加えて今春、ポーションの「クラフト モッツァレラチーズ6P」とシュレッドの「クラフト 細切りモッツァレラ」を投入した。「モッツァレラチーズ6P」はモッツァレラを65%以上使用し、「細切りモッツァレラ」はモッツァレラチーズをシュレッドで開発した。
家庭用チーズマーケティンググループの佐藤裕之グループ長は、「フレッシュモッツァレラを使用するイタリアンサラダのカプレーゼの提案を継続してきたことで、一定以上の認知を獲得し、特に首都圏では下段で展開されることが多くなった。フレッシュモッツァレラに至るまでにさまざまなタイプで味わいを知ってもらえるよう、ラインアップを強化した」と語った。
またコモディティ商品化が進んでいるシュレッドは、「細切りモッツァレラ」のほか、ピザやオーブン料理に提案する「クラフトおうちBISTRO」シリーズや、トーストにのせる「クラフト のせて焼くだけ!!」シリーズなどでバラエティの幅を広げる。
「人口が減少する中、価格訴求だけで量の拡大は期待できない。食べ方や簡便性などの価値提案で、さらなる市場の拡大に寄与する」(佐藤グループ長)としている。

週刊流通ジャーナル2015年6月29日号より