
ファイン(佐々木信綱社長)は、機能性表示食品制度の浸透で生活者の健康志向が高まり、関連市場のすそ野が拡大していくことに期待している。同社の商品はウェルネス領域を幅広く網羅し、NBほかPBの受託製造販売まで多様なニーズに対応できる強みを持つ。戦略営業部の小野仁志部長に、現在の取り組みと中長期の方針を聞いた。
機能性表示食品制度のスタートを受け、同社も複数商品を申請した。7月1日に第一弾商品「ひとみの恵ルテイン40」が消費者庁に受理され、引き続き第2弾、第3段の受理を待っている状況にある。
小野部長は、「厳格かつ慎重な審査がおこなわれており、健全な市場形成を狙う行政の意図が感じられる。今年は製配販が目線を合わせる年となり、商品の上市は来年に増えると考える。当社も来春の棚割をメドに、売場提案を本格化していく」という。
ファインは1974年に創業し、以来40余年にわたり健康食品の開発、製造、販売をおこなってきた。現在は研究所と工場を国内外に保有し、またアメリカ、中国、香港、ベトナムに営業拠点を持つ。
機能性表示食品と食品つなぐスーパーフード
戦略営業部は、各国で得た情報をもとに事業の活性化策を立案している。現在はアメリカで先行する機能性表示食品制度と、その市場推移を研究し、国内流通の戦略を組み立てている。
「アメリカはダイエタリーサプリメントを入口に生活者の健康意識が高まり、オーガニック、ナチュラル、有機といった食品市場の拡大につながった。当社がベンチマークするホールフーズの売場は、生鮮、ドライフルーツ、スーパーフードの先にサプリメントが連動している。ここ日本でも今後は機能性表示食品だけでなく、食生活の改善をベースにした提案が需要喚起の鍵になる。その考えを形にしたのが、今春に上市した『ファインスーパーフード』シリーズである」(小野部長)
食生活の改善をドラッグストアの機能に
「ファインスーパーフード」シリーズのラインアップは、「アサイー&マキベリー」「チアシード」「はとむぎ美人粉」「根昆布」「スムーC」「ココナッツオイル」「ココナッツオイルボトル」「ライスミルク×酵素」からなる。
同社はTV番組で火が付きブームとなる前から、サプリメントと食品の中間にあたる機能食品すなわちスーパーフードを、差別化商品として強化してきた。
「近年はホールフーズが食品の延長線上の調剤に参入する一方、調剤主体のドラッグストアはスーパーフードの導入に積極的だ。業態の垣根が無くなる中で、ヘルス&ビューティの概念もヘルス&ウェルネスへとシフトしている。食生活の改善は先進国の共通テーマであり、セルフメディケーションの根幹だ。保険制度の有無も市場拡大の弊害にならない」(同)という。
この仮説をもとに、一部ドラッグストアと売場づくりの協業も始めた。「地域密着の売場づくりはドラッグストアの重要なテーマである。ヘルス&ウェルネスを切り口に健康食品で差別化を図れば、街の健康拠点として地域の支持は高まる。当社には介護を含む食品群のNB、PBを総合提案できる強みがある。店頭活性化に向け是非活用して欲しい」(同)
日刊ドラッグストア2015年7月7日号より抜粋