
東洋新薬(服部光利社長)は、健康食品と化粧品企画、製造をおこなうODMメーカーである。同社は特定保健用食品(トクホ)の許可取得数と医薬部外品の年間承認品目数で日本一を誇る。機能性表示食品制度の届出はすでに3品が受理されており、今後は創業当初から積み上げたトクホのノウハウを、新制度の商品開発に広く活用していく。
トクホ許可取得数№1メーカーの新制度戦略
東洋新薬の前身は93年に化粧品卸販売として設立したセブンシーズで、97年に健康食品部門を独立して誕生した。国が食品に健康強調表示を許可・承認する制度として91年にトクホ制度が誕生したが、創業者・服部光利社長は、トクホ市場の将来性を予見し、研究開発部門を強化して独自素材の開発を促進してきた。
97年に大麦若葉青汁の研究に着手し、2002年に青汁製品として初めて大麦若葉の食物繊維を関与成分としたトクホの許可を取得した。また2000年に研究を始めたフラバンジェノール®は、抗酸化素材市場の新たなカテゴリーを創造している。このほか、すいおう(甘藷若葉末)、葛の花エキスTMなど耳馴染みの素材も、同社が開発したものである。
製薬会社や流通大手に鍛えられる
一般的な受託製造メーカーがOEM(Original Equipment Manufacturing)と呼ばれるのに対し、同社は素材開発、商品企画、製造、機能性・安全性試験、知財管理、広告表現の立案、販売支援までをトータルに提案するODM(Original Design Manufacturing)を志向している。素材の生産は農場を含め厳格に管理し、エビデンスのある確かな研究開発と、独自性の高い商品を提供しているのが特徴だ。
その姿勢は、トクホ市場に参入した多くのNBメーカーに支持されてきた。トクホの許可取得数は2005年以降に日本一となり、直近の累計取得数は265件と、2位以下を大きく引き離している状況にある。
創業時から基礎研究を続けてきた化粧品部門も3年前に再度強化。同社化粧品ODM事業の代表は界面活性剤を必要としない乳化技術「三相乳化」(神奈川大学の特許)で、ここ数年は同技術を応用した化粧品が注目されている。なお、昨年の医薬部外品の承認品数は95品目で、並みいる化粧品NBメーカーを抑えトップとなっている。
髙垣欣也専務は、「健康食品と化粧品の両方を受託する企業は少なく、健康と美の領域を一括して提案できるのが当社の強み。厳しい商品基準を持つ製薬会社様や大手流通業様に鍛えられ培った品質と技術が、現在の信用のベースである」という。
日刊ドラッグストア2015年7月10日号より抜粋