
阪食(河村隆一社長)は4月15日、今期新店第1号となる「阪急オアシス 千里山店」(大阪府吹田市霧が丘22-1)をオープンした。同店は、駅前立地の300坪型プロトタイプの最新店で、これまで開発してきた60近いコンテンツを可能な限り差し込んでいる。「高質食品専門館」としては、新店で26店目、改装を含めると79店目となる。11月には「高質食品専門館」のノウハウを集大成した500坪型プロトタイプの「箕面船場店」(大阪府箕面市)を開設する。

今期7店の新設を計画しており、既に「千里山店」に続き、250坪型プロトタイプの「晴明通り店」(大阪市阿倍野区)をオープンしている。同社最大のドミナントエリアである「千里ブロック」の14店を統括する髙木一郎ブロック長は、「千里ブロックは、5つある当社ブロックでは売上規模が最大となる。11月オープンの箕面船場店も当ブロックに属する。千里山店は、これまで当社が培ってきた「高質食品専門館」のノウハウをさらに進化させたもので、この成功事例を箕面船場店に繋げていきたい」と語る。
千里山店は、阪急電鉄千里線千里山駅前の再開発ビル1階に出店しており、売場面積は272坪の規模である。2階にはドラッグストア(キリン堂)、100円ショップ、3階は吹田市のコミニティスペースとなっている。来年4月には、隣接してバスターミナルが完成する予定だ。
売場面積に制約があるため、ゴンドラを高くし、天井も吹き抜けにして黒く塗り、面積の割には開放感を演出している。年商予定は16億5000万円で、同社としては新店で初めての女性店長(竹田綾店長)を配置している。

インストアで果物をトッピングしたケーキを販売
駅前立地ということで、入口すぐにデリ、ベーカリーを配置している。おかずバイキングでは、細かく小分けしたプレートを98円で販売している。ベーカリーは、100円パンを中心に、期間限定パンなど変化を付けて品揃えしている。今年3月から稼働している高槻市の新ベーカリー工場から冷凍生地を供給してもらい焼成している。
この店からのチャレンジの一つに、ケーキをベースに、インストアで新鮮な果物をトッピングしたプチケーキ(98円)が非常に好評だ。イチゴ、メロンなどフルーツ感が溢れている。野菜、果物の農産コーナーは、カラーコントロールにも配慮している。
水産コーナーは、3年前から取り組んでいるオリジナル商品を強力に訴求している。バイヤーが現地に入り込み、脂の乗ったアジを買い付け、加工業者を指定して納品させている。なおこの店では毎週木曜日、水産担当者が中央市場で商品部が指定する取引先から直接買い取りしている。この方式は農産部門でも採用している。自ら仕入れ、自ら販売することで担当者の売り方にも力が入る。水産ではこのほか、自家製の干物コーナーも好評だ。
またギフトステーションには、コーヒーサーバーを置き、スープやサンドイッチなども関連販売して、レストスペースとして提供している。
<店舗概要>▽所在地=大阪府吹田市霧が丘22-1▽開店日=2015年4月15日▽売場面積=398㎡(272坪)▽営業時間=午前9時〜午後10時▽駐車台数=57台▽年間休日=1月1、2、3日▽年商予定=16億5000万円▽店長=竹田綾▽従業員数=社員13名、パート・アルバイト110名▽商圏500m圏内4420世帯、9530人、500〜1㎞圏内1万3400世帯、3万0120人

日刊流通ジャーナル2015年7月21日号より抜粋