
森下仁丹は今春、機能性表示食品制度の開始を機に、サプリメントの新ブランド「ヘルスエイド」を立ち上げた。機能性表示食品に加え、栄養機能食品などの機能性を伝えられる商品を揃える。特に、働き盛りで生活習慣病予備軍も多い、健康を気遣う40〜50代男性の開拓に力を入れる。サプリに不慣れだった消費者を含めて、健康維持に必要な商品選びをサポートする。
生活習慣病予備軍の需要を喚起
「ヘルスエイド」は現在、機能性表示食品の「ビフィーナ」「ビフィーナS」「ビフィーナEX」「ビフィーナS Pearl」(以上、腸内フローラを良好にし便通を改善)、「ローズヒップ」(体脂肪を減らす)、「ヒアルロン酸」(皮膚の水分量を高める)、「テアニン」(作業などに由来する緊張感を軽減)と、栄養機能食品の「マルチビタミン&ミネラル」をラインアップしている。
ヘルスケア事業本部の橋田勝行本部長は、「例えばローズヒップは、ビタミンCが豊富なことが有名だが、他にも様々な特徴がある。ローズヒップ由来ティリロサイドの、体脂肪を減らす機能を訴求することで、新たな需要を生み出せると考えている。通販事業の中核で、ビフィズス菌(ロンガム種)配合のビフィーナシリーズを核に、学術的な裏付けある商品を増やし、サプリの安心な購入を応援したい」
ターゲットは全ての世代の成人男女だが、特に40〜50代男性に力を入れる。働き盛りの一方で成人病予備軍が多く、健康に気を遣う中年男性の需要が大きいと見ている。15日には、ヘルスエイド ビフィーナ」と「ヘルスエイド ローズヒップ」の2品で、俳優の田中哲司氏を起用するテレビCMの放映を開始した。普段の生活の中で、健康や若さの大切さに気付く内容で、同世代の中年男性に共感を広げる。

タッチパネル式の電子POP提供
現在は通販で培ったノウハウを活用し、販売店とリピーターを増やす施策を進めており、一部の販売店には、タッチパネル式の電子POPを提供している。身体の状態など、簡単な質問に沿って画面上の表示を押すと、最適な「ヘルスエイド」の商品が紹介される。これまでサプリの購入経験がない人でも、簡単に最適な商品を見つけられるようにした。
「アメリカではダイエタリーサプリメント教育法の施行後、十数年間でサプリ市場が約4倍に拡大した。以前のアメリカは通販が主流だったが、現在は店舗チャネルが中心になっている。日本も同様の動きになると予測しており、ドラッグストアのウエイトが大きく高まると思う」(橋田本部長)
今後、「ヘルスエイド」シリーズは、栄養機能食品や特定保健用食品(トクホ)を含め、今年度中に20品目を目標にラインアップを増やす。
「4月に機能性表示食品制度が施行され、マスコミからも取り上げられたが、商品数が少なく消費者の認知度はまだ低い。まずは業界全体でマーケットを拡大し、その上で競争したい。これまで消費者がサプリに疑念を持っていたのは事実だ。新制度によりサプリの整理がなされ良い商品が選ばれるとともに、消費者の未病対策を含む健康維持・増進により、医療財政の改善に繋がっていくことを望んでいる」(橋田本部長)

日刊ドラッグストア2015年7月29日号より抜粋