
ヤオコー(川野澄人社長)は14日、千葉市美浜区に売場面積519坪の検見川浜店を開設した。区内3店目で、先行店のうち12年オープンの稲毛海岸店(599坪)は約1㎞、14年オープンのミノリア稲毛海岸店(589坪)は約2㎞の距離にある。3店舗の中で売場面積が最も小さい新店は、生鮮・惣菜を中心に足元からの取り込みに重点を置く。周辺は住宅の開発が進む人口増加エリアで、20代後半から40代前半を主要ターゲットと位置づける。
同店は、JR京葉線・検見川浜駅から東へ約0.7㎞に位置する。マンションと一体開発した物件で、隣接する敷地に今後、約545戸の集合住宅が建設予定だ。足元1㎞内に約1万6000世帯・3万5000人が居住する。単身・2人世帯で構成比は5割を超える。世代のボリュームゾーンは若く、主要ターゲットは35〜45歳、サブターゲットを25〜35歳と設定する。
隣駅の稲毛海岸駅周辺まで、3年半の間に3店舗を開設した。検見川浜店が面する生活道路沿い約1㎞の距離にある稲毛海岸店は、新店よりも売場面積が15%ほど広い。新店は生鮮・惣菜に比重を置いて足元のニーズ対応を強化し、既存の稲毛海岸店は広域対応を図り、このほど行った商品マッサージではグローサリーの品揃えを拡充した。
販売部長の小澤三夫取締役は、「検見川浜店の売場は500坪を少し超える程度だが、これまでの取り組みで売場の密度が高まり、以前の600坪に勝る魅力を出せるようになった。ただ、生鮮・惣菜を優先するためにグローサリーの売場は縮めるしかなかった。その分、稲毛海岸店のグローサリーは当社のフルラインで品揃えし、2店舗で役割をすみ分けることにした」としいう。

的場店スタイルの500坪型店
検見川浜は、生鮮・惣菜分離型の標準的なレイアウトを採用した。鮮魚の主通路に設置した平型ケースで丸魚などを展開するスタイルは、12年オープンの川越的場店(埼玉県川越市、売場面積809坪)から導入が本格化し、最近では500坪台の店舗でも標準化されている。マグロの品揃えや朝水揚げの近海魚を強化ポイントとする。また、真鯛や金目鯛の湯引を商品化したり、オープン日はタコをテーマに生食や塩干、煮物を集積したコーナーを展開していた。
精肉は、以前から牛タンなどで切り方の変化による提案に取り組んでいたが、同店では新たに和牛・輸入牛で冊を商品化した。刺身のように方形にカットした塊肉で、好みの厚さに切り分けて利用する。

第2主通路は精肉部門に続いて和日配を展開し、最終コーナーの角地はワインとチーズの「デイリーセレクション」を配置する。従来は冷ケースの上部に棚を設け、ワインを陳列するコーナーだったが、同店では棚の半分をオリーブオイルに変更した。上質品を提案する新たな試みという。同コーナーの向かいに配置した平型ケースでは、ワインに合わせる惣菜メニューを展開する。「おだしトマト」、「おだしたまねぎ」(いずれも税別298円)といった新メニューを商品化した。
最近の新店では、店舗限定品を開発するケースが増えている。検見川浜店では千葉県の名産品にちなみ、おはぎの限定フレーバー「ピーナッツ」(税別104円)を商品化した。同店の取扱アイテムは1万2600SKUで、初年度は年商16億円を目標とする。売上構成比は生鮮で38%、惣菜で15.7%を見込む。
<店舗概要>▽所在地=千葉市美浜区磯辺5−1−1▽駐車台数=116台▽駐輪台数=100台▽延床面積=2691㎡▽店舗面積=1718㎡▽営業時間=午前9時30分〜午後9時45分▽年間休日=2日▽従業員=社員17名、パートナー・アルバイト他92名(延べ人数)▽店長=外井裕典


日刊流通ジャーナル2015年7月29日号より