
三菱食品は7月、東京流通センターで「三菱食品ダイヤモンドフェア2015」を開催した。マクロ環境から生活者の変化を分析し背景を探ることで、小売・メーカー双方へソリューション提案するバリューチェーンコーディネーターとしての進化をアピールした。今回は人口動態や社会経済など食品業界を取り巻く8つの与件と、150万人の消費者の購買データ分析から導き出された6つの女性像をベースに、売場づくりやMDなど取引先の個別の課題への提案を目指す。前年に引き続き、「アンサー」をテーマとし、1万人が来場した。200社・4000 SKU(2500SKU増)を展示し、250の試食メニュー(70増)を随所で展開した。
ポジショニング、パフォーマンス、コミュニケーションの3つの企画ゾーンで構成した。ポジショニングゾーンは顧客・チャネル・エリアの3つの切り口から業態別の課題解決を打ち出した。顧客は、消費のトレンドをつくり出すシニアや、団塊ジュニアのライフスタイルを分析し、MDへ活用する。シニアは上質感、健康感、小容量・小分けを打ち出しが必要とし、一例で惣菜は、生鮮と連動させ旬の食材を使用した商品や原料産地の明記などで動きが変わることを示した。また、七夕や十五夜などを3世代で楽しめる催事として提案した。団塊ジュニアは、18年に人口構成比で後期高齢者(75歳以上)を上回り、第2のボリュームゾーンとなる。有職女性の増加や男性の調理機会の増えていることに着目し、レディトゥプリペアやレディトゥクックの時短メニューのバラエティ化の重要性をアピールした。
チャネルは宅配の無店舗チャネルと都心部のミニSMにフォーカスした。高齢化や女性の社会進出の増加によって、買物・調理時間の減少するため、食品の宅配市場は17年に2兆円を突破する一方、より競争が激化すると予測する。宅配サービスとMD方向性を展望した。ミニSMは有職女性の取り込みを重点課題に掲げ、調理に対する意識の解明を試みた。素材の調理で手間がかかるがやることと、やらないことに分けニーズのある商品群を紹介した。例えば、だしをとることや魚をおろすこと、揚げ物の衣をつけることなどはしない傾向が強く、だしパック、だし入り味噌、切り身の品揃えの充実や惣菜強化を提案した。エリアは地域密着型のMD構築に向け、47都道府県を健康訴求、ハレの日、有職女性など5つのテーマで分析した。
日刊流通ジャーナル2015年7月30日号より抜粋