
7月17日にオープンした栃木平柳店(栃木市)は東武線・栃木駅から北東へ約1㎞の幹線道路沿いに立地する。標準の600坪タイプで生鮮を中心に地域商材を充実させると同時に、こだわり商品や新しい提案の要素を盛り込んだ。
グローサリーは健康を切り口に、ココナツオイル、スムージー、美容ダイエットなど、新しいトレンドを反映させた。焼肉のたれやオリーブオイルなど、嗜好性の高い商品群は「美味しさ逸品」のPOPでローカルブランドの高額品や輸入品も揃えた。雑貨は「サラダづくりに簡単便利」「お弁当を持っていこう」「マイボトルを持っていこう」など、テーマを掲げそれぞれ3尺1本をアソートした。
クロスMDの取り組みで、生鮮通路内にドレッシング売場を配置し、流行りのメイソンジャーと呼ばれるビンを使ったサラダづくりを「ジャーサラダ」と称して提案し、調理器具のジャー、専用ストローを関連陳列している。また青果の通路で、イベリコ豚と豚しゃぶのつけつゆを組み合わせ、こだわり肉のしゃぶしゃぶを提案した。店長主導で、部門に横串を刺した販促企画、店舗運営に取り組んでいるという。
青果は導入部にJAしもつけとの連携で、地場の生産者による朝どり野菜コーナーを常設している。鮮魚は築地市場を活用し、いさき、金目、生さば、めばる、キンキなど、全国の近海物を豊富に揃える。生食はマグロ、旬の素材を組み合わせた盛り合わせのほか、天然ひらめ、生メバチ、鯉のあらいなどの個食、サーモン、かつお、えび・貝類と素材や食スタイルを配慮し、流れを組み立てた。また家飲みニーズに対応し、生珍味バイキングコーナーを展開している。いか明太子、いかの塩辛、数の子わさび、わかめ煮などを1パック198円、3パック580円に設定した。
精肉はみすじ、牛ほほ肉、豚タン、ホルモン焼、プルコギなど、焼肉商材を専門店並みにコーナー化した。牛肉は銘柄肉の前日光和牛のほか、アメリカンビーフプライム、牛ブロック肉を揃え、値ごろ感と品質のバランスを配慮すると同時に、厚切り肉の食シーンを提案している。また、惣菜のライフフーズに隣接する即食ゾーンの一角で前日光和牛を材料にした炭火焼ローストビーフを商品化している。

人手不足で惣菜は基本商品を強化
惣菜のライフフーズは通路内に、だんらんデリのオープン冷ケース2本を展開している。最近の新店では自社工場で製造したフローズンデリをコーナー化し、現在、既存店を含め、40店に導入している。常温で売れ行きが好調なものを家庭の冷蔵庫のストック商材とすることが、開発のねらいだった。700〜800坪の大型店では、フローズンデリ専用のケースを展開しているが、標準の600坪型ではだんらんデリの一角に組み入れている。
NBの冷凍食品とは性格が異なるため、惣菜売場で展開している。フローズンデリは餃子、メンチカツ、つくね、チキンナゲットなどベーシックなものから、和洋中の惣菜、丼物、スープを商品化している。圧倒的に、餃子の支持が高いという。
だんらんデリは、サラダ、カジュアルデリ、居酒屋デリなど、複数のカテゴリーで構成する。フローズンデリを含め、自社工場で製造した商品である。ライフフーズの松崎久美社長は、「インストア加工の人材確保が困難な状況で、だんらんデリの回転率を高めていきたい」と語っている。
壁面のホットデリは、メンチカツ、コロッケ、餃子、かき揚げなど、高頻度アイテムの商品力強化をアピールしている。揚げ物、弁当、寿司、おこわなどを含めマンアワーが不足している状況にあって、「アイテムを絞り込み、ベーシックなものをブラッシュアップし回転率を高めていくが、新しいものを入れないと売上が伸びない」(松崎社長)としている。今回、新しい専門ショップとして、「いなりの狐豆」を導入した。
<店舗概要>▽所在地=栃木市平柳町2−26−21▽店長=堀越勇▽延床面積=906坪▽売場面積=605坪▽駐車台数=244台▽営業時間=午前9時半〜午後10時(年中無休)▽年商予定=15億円▽従業員数=111人(社員15人)

日刊流通ジャーナル2015年7月31日号より