
生鮮・惣菜で原材料を共有化した商品を拡充
マルエツ(上田真社長)は7月23日、東京都多摩市に売場面積226坪の唐木田駅前店を開設した。上期8店目の出店で、売場面積300坪をプロトタイプとする標準店が半数の4店を占める。生鮮はPCからの商品供給を主体とし、インストア加工は一部の商品にとどめる。発注精度が向上し、ローコスト運営の仕組みを構築しつつある。PCでの商品づくりは生鮮各部門と惣菜で原材料の共有化が進み、商品開発が加速している。唐木田店では惣菜でオリジナルの鶏肉を使用した焼き鳥を商品化した。

同店は小田急多摩線・唐木田駅前の集合住宅1階に位置する。商圏は500m内の2000世帯・4700人と想定している。周辺は大学やゴルフ場などがあり、世帯数は少ないものの、1㎞内にSMはなく、普段使いの売場づくりを徹底した。グローサリーは高さ1900㎜のハイゴンドラを活用して品揃えを確保し、7620アイテムを取り扱う。
今期、店舗運営を大型店、標準店、マルエツ プチの3タイプに集約した。売場面積500坪をプロトタイプとする大型店はインストア加工中心で、標準店はPCからの商品供給を主体とする。PCでの商品化がレベルアップするとともに、精肉の銘柄牛など上質商品をPCで一括して取り扱うことで幅広く品揃えできるようになった。同時に、発注精度が高まり、損益分岐点が引き下げられている。
さらに生鮮各部門と惣菜で原材料の共有化で、商品開発が進んでいる。唐木田店では惣菜で、精肉のオリジナル「みちのく森林鶏」を使用した焼き鳥4アイテム(本体198円)を開発した。
池野賢司取締役常務執行役員商品本部長は、「PCでノウハウを蓄積し、生鮮の商品調達力と惣菜の味つけなどの加工技術が連動するようになってきた。原料の共有化により原価が低減すると同時に、生鮮の簡便商材、惣菜の商品開発が加速している」と語った。
<店舗概要>▽所在地=東京都多摩市唐木田1-1-7▽売場面積=748㎡▽駐車台数=10台(共用)▽営業時間=午前9時~午前1時▽年間休日=無休▽年商目標=7億5000万円▽従業員数=社員6.3名、パート・アルバイト33.7名(8時間換算)▽店長=榛葉博昭

日刊流通ジャーナル2015年8月6日号より