ブラックニッカ26%増、竹鶴は3倍増
ニッカウヰスキーが製造するアサヒビールの国産ウイスキーは、1−6月の累計で55%増と伸長している。
14年度は創業80周年プロモーションや創業者を題材としたNHKドラマの効果で主力の「ブラックニッカ」は11%増の230万ケース、「竹鶴」は約2倍の20万ケースと好調だった。今期も3月までドラマが放映されていたこともあり、「ブラックニッカ」は26%増、「竹鶴」は3倍強と勢いが加速している。
販売数量の大きい「ブラックニッカ」は、中核商品の「ブラックニッカクリア」、「リッチブレンド」が伸長していることに加え、6月に発売した「ディープブレンド」も好調なスタートを切った。
また、7月にはインターナショナル・スピリッツ・チャレンジ2015において、ブレンデッドウイスキー「フロム・ザ・バレル」がウイスキー部門の最高賞「トロフィー」を獲得したほか、ニッカウヰスキーが1社だけに与えられる「ディスティラー・オブ・ザ・イヤー」を初めて受賞している。
余市・宮城峡 新設計・新価格で9月発売

9月1日に、ニッカが所有する2つの蒸溜所の名を冠したシングルモルト「余市」と「宮城峡」を新発売する。
従来、「余市」と「宮城峡」ブランドは、ノンエイジをはじめ、10年、12年などのラインアップを展開していた。今年1−5月累計では前年比2.6倍と販売数量を伸ばしていたものの、将来にわたる原酒の確保を考慮し、既存商品は出荷を終了していた。
新生「余市」・「宮城峡」は、700mlでアルコール分45%、参考価格を4200円と想定する。従来のノンエイジ商品は、500mlで1600円ほどだった。一新された商品設計で、両ブランドの新たな魅力を提案する。
「余市」は、ピートと潮の香りが特徴的で、重厚で力強く、複雑で深みのある味わいを追求した。「宮城峡」は、シェリー樽原酒をキーモルトに使用し、華やかでフルーティ、なめらかな味わいを特徴とする。
販売計画は16年8月までの通年で、3万4000ケースと設定する。ラインアップを大幅に集約したことにより、両ブランドの販売数量は直近に比べ7割ほどとなる見通しだ。
なお、9月1日に値上げを予定する「スーパーニッカ」、「ハイニッカ」は、パッケージデザインを刷新する。
「スーパーニッカ」(参考価格2500円)は、ラベルとネックシールの色を変更し、ニッカエンブレムのデザインを加える。同ブランドは、竹鶴政孝が妻・リタの逝去を受け、新しいウイスキーづくりを目指して開発した。また、「ハイニッカ」(同1200円)は、ウイスキーの入門編として開発したもので、晩年の竹鶴政孝が愛飲したブランドと伝えられている。
週刊流通ジャーナル2015年8月10日号より