
川崎アゼリア店 生鮮3部門にコンセを導入
セブン&アイ・ホールディングスの事業会社で高質SMを展開するシェルガーデン(藤森敏和社長)は7月31日、SC川崎アゼリア(川崎市川崎区)の核店として「ザ・ガーデン自由が丘川崎アゼリア店」を開設した。生鮮3部門にコンセを導入して専門性を高め、惣菜・日配・グローサリーは最新のMDを取り入れた。直近は駅周辺の商業施設への出店を中心としており、商圏や施設の店揃えなどを考慮し、柔軟なMDで売場を構成する。

川崎アゼリアは、JR川崎駅東口と京急川崎駅を結ぶ地下街に展開するショッピングモールで1986年10月にオープンした。延床面積1万7077坪、店舗面積3264坪の規模で150の専門店を集積する。従来は店舗面積の3分の2がファッション、3分の1が飲食ゾーンだった。14年から改装を進め、ファッションを絞り込んで食品を加え、3つのゾーンに再編する。第1期として7月31日、延床面積2095坪、店舗面積1202坪の食品ゾーンをリニューアルオープンした。16年3月にレストランとファッションを含め、全体の改装を完了する。
川崎アゼリアの木場田文夫社長は、リニューアルのねらいについて次のように語った。
「鉄道とバスの結節点で、1日平均24万人が通行する立地優位性を最大限活かすためにどのように特徴を打ち出すか検討を重ねた。日常使いのSCへの転換を目指し、食品ゾーンを導入することにした。食に関する幅広いニーズに対応するため、3分の1超の1202坪を割り振った。変わったことをアピールするため、今までにない食のカテゴリーのオープンを先行した」
食品ゾーンは上質をキーワードとし、「デリチカ」としてザ・ガーデン自由が丘のほか、生鮮、惣菜、スイーツ、酒類など60の専門店を集積した。生鮮は「旬彩百華」、惣菜は「惣菜馳走」として専門区画を構成した。また50席の休憩スペースやベビールームを新設した。改装後の16年度の年商は165億円(改装前の13年度比で17.9%増)を目標とする。

ザ・ガーデン自由が丘は15年度、錦糸町店(東京都墨田区)、町田店(同町田市)に続き、アゼリア川崎店で3店目の開設となった。直近はカテゴリーを柔軟に拡縮したMDで商業施設を中心に出店している。錦糸町店は駅ビルに出店し、生鮮・惣菜を絞り込み、酒類を中心としたグローサリーショップで、町田店は駅に隣接したSC内への出店で、青果と塩干、加工肉を取り扱う。
川崎アゼリア店は生鮮3品・惣菜を含めたフルラインで展開する。同社としては4番目の規模の売場面積177坪で、初めて生鮮3部門すべてにコンセを導入した。井尻政夫執行役員総務部副部長は、「SC内に生鮮のテナントが出店していることを勘案し、食の専門性を追求すると同時に、ワンストップショッピングの利便性で差別化を図った」と語った。
コンセを含め7000アイテムを品揃えし、直営、コンセとも3割を目安に上質商品を揃えた。青果はギフト向け果物(4000〜1万5000円)やバラエティ豊かなカットフルーツで華やかさを演出し、トマトやキャベツ、ダイコンなどの高頻度商品は値ごろ感を打ち出した。またハーブ類はバジルやオレガノ、レモングラスなど14アイテムを揃えた。精肉と鮮魚は主通路のオープンケースでたれ漬けの簡便商材を充実した。
惣菜はインストア加工の米飯や揚げ物を充実するほか、銘店の押し寿司や駅弁などを導入した。和日配は漬物に力を入れ、全国の商品を取り扱う。洋日配は40アイテムを揃えるヨーグルトのほか、フレッシュデザートを充実させ、ワインとナチュラルチーズを連動した。ワインは1000円台を中心価格帯とし、4万5000円のビンテージまで揃えた。「全体的に上質商品の動きがよく、またどんどん新しさも求められる。川崎市は初出店だが、魅力的な立地なので、店全体で競争力を高めていく」(井尻執行役員)という。主力のグローサリーはコーヒーやドレッシング等の嗜好品や、食用油や味噌等の調味料、エスニック商材などを充実するほか、スーパーフードなど新しいカテゴリーを導入している。
<店舗概要>▽所在地=川崎市川崎区駅前本町26番地2−1011▽売場面積=585㎡▽駐車台数=356台(共用)▽営業時間=午前10時〜午後9時▽従業員数=社員5名、パート・アルバイト35名▽店長=金光秀和

日刊流通ジャーナル2015年8月17日号より抜粋