ピップ(藤本久士社長)は先頃、「ウェルネスフェスタ2015AUTUMN」を開催した。出展メーカーは155社、総小間数は173小間で、特にシニア向けの小間数が前年比倍増となり、市場性に期待する同社と参画メーカーの方向性が垣間見られた。恒例の新商品人気投票は、ヘルス部門の第1位に森下仁丹の機能性表示食品が選ばれた。

「ウェルネスフェスタ2015AUTUMN」は7月22、23日の2日間、東京・港区の流通センターでおこなわれた。
メインテーマは「新たなるライフステージへ〜行動変化を創りだすソリューション提案」とした。卸事業本部の村上光治MD本部長は、「ライフステージは段階的に上がるが、各ステージの手前で生活者の悩みが生じる。そうした仮説のもと、解決のきっかけとなる提案を心がけた。生活者の悩みにダイレクトに響くよう、各商品の特徴を判りやすく解説したのも今回の特徴だ」という。
出展メーカーは前秋季比3社減の155社、総小間数は1小間減の173小間だった。同社カテゴリーはヘルス、シニア、ベビー、コンフォートの4つに大別されるが、従来はコンフォートに展示していたメーカーがシニアにシフトする傾向もみられ、シニアの小間数は前回の17小間から34小間に倍増した。
流通関連セミナー等が重なったため、2日間の動員目標1400人には満たなかったが、参加した小売業トップ、幹部、バイヤーらは熱心に、同社の提案を吸収し持ち帰った。
女子力男子、家菜女子への提案も
新商品コーナーは、6月以降に発売または発表された新商品約600アイテムを展示し、POPで基本情報を提供していた。恒例の新商品人気投票は総計約1000票を集めた。
ヘルスの人気投票第1位は森下仁丹の機能性表示食品「ヘルスエイドシリーズ」が選ばれた。以下、シニアの第1位は白十字の「サルバ吸水ポケット男性用14枚入」、ベビーの第1位はコンビの「テテオ口内バランスタブレットDC+いちごミルク」、コンフォートの第1は白元アースの入浴剤「HERSバスラボうるおいボールがそれぞれ選ばれている。(下表参照)
新規取扱メーカーは健翔、カスタム、美—セレクト、ビーエヌの4社。健翔はスムージーや青汁などの健康飲料の試飲が好評だった。カスタムは非接触式体温計、ビーエヌは紐なしマスクといった、特徴のある商品を紹介していた。
ピップが企画したMD提案のシニア部門は、「クリエイティブエイジング」(自分創造)ならびに機能性表示食品制度を提案していた。クリエイティブエイジングは特に50代女性の6つの悩みを紹介した。ベビー部門は成長が見込まれる1歳以上の市場に着目してベビーフードを充実させていた。
ビューティ部門は男性用カテゴリーの幅を広げたいバイヤーのニーズに応え、女性以上に美を追求する「女子力男子」をテーマに提案したほか、ドラッグストアには見られないネイル関連のトータル提案もおこなった。コンフォート部門は「家菜(やさい)女子」をテーマに、500円のワンコインから開始できる家庭菜園の売場を紹介した。このほかインバウンド対応として、現在の訪日外国人の嗜好や購入データをもとに、未来のインバウンド需要を予測していた。
日刊ドラッグストア2015年8月18日号より抜粋