
電子レンジ調理が浸透しレトルト食品が好調
大塚食品はボンカレーゴールドの電子レンジ調理が浸透したことで、レトルト食品が好調に推移している。また夏冬の季節品の導入や毎年2月12日のボンカレーの日にイベントを実施し、情報発信を継続していることも底上げに寄与している。この夏は冷蔵庫で冷やして食べるキーマカレーを発売し、そうめんなどにつけて食べることを提案した。
今年1~7月のボンカレーゴールドの販売実績は数量ベースで前年比29%増だった。8月も下旬までの段階で32%増と勢いを増した。中高価格帯のボンカレーネオは7月までの累計で、19%増だった。8月24日に新商品3品に切り替え、在庫調整にともなう機会ロスが発生した。従来、甘口、中辛、辛口の区分だったが、最近のカレーのニーズはフレーバーで選択する傾向にあることに着目し、「とろけるデミグラス欧風」「コクと旨みのオリジナル」「薫り立つスパイスインド風」に切り替えた。
ボンカレーはレンジ調理の簡便性だけでなく、安心・安全で保存料、合成着色料を使用しない。手作りの味を特徴とする。この夏からパッケージに、「保存料・合成着色料不使用」を表記している。


カロリーを調整する「マイサイズ」シリーズも昨年、電子レンジ調理に刷新し、好調に推移している。同時に従来、丼物が中心だったものをエスニックをはじめ女性が好むメニューに改廃したことも需要喚起につながった。1~7月の累計で、前年比30%増だった。8月17日に新商品で「蟹と卵のカレー」「蟹のあんかけ丼」「スンドゥブチゲ」「チーズクリーム」「マンナンごはん」を発売した。各種ソース100キロカロリーとマンナンごはん150㎉の組み合わせで、1食250キロカロリーに抑制できる。ドラッグストア、調剤薬局でフルアイテムを取り扱う動きもみられる。
また料理人・道場六三郎氏監修の「銀座ろくさん亭」シリーズも7月までの累計で21%と好調だった。8月17日に「銀座ろくさん亭 今夜は料亭の味」シリーズで、「鶏肉と豆腐の治部煮風」と「和風麻婆豆腐」を発売した。このシリーズは身近な食材を加えて炒め、煮込むだけでこだわりの1品が簡単につくれる。化学調味料無添加の和風惣菜の素である。
週刊流通ジャーナル2015年9月7日号より