
ライフコーポレーション(岩崎高治社長)は2日、さいたま市大宮区の大型商業集積「コクーンシティ」内の核店舗「さいたま新都心店」をリニューアルオープンした。約4億円をかけた大型改装で、テナントを含む642坪のうち、直営売場を広げた。生鮮・惣菜は通路幅を広げ、ライブ感や簡便ニーズ対応を強化した。以前から需要が高いワインは、東欧諸国のワインをコーナー化して品揃えを広げた。関連商材としてナチュラルチーズも強化している。初めて個食の冷凍スイーツをコーナー化し、ニーズを検証する。

コクーンシティはJRさいたま新都心駅前に位置し、3棟の商業施設で構成する。ライフさいたま新都心店は、第1棟の核店舗として04年9月にオープンした。今年4月にオープンした第2棟には、核店舗としてイトーヨーカ堂がワンフロア・1547坪の大宮店を開設した。イトーヨーカ堂の大宮店は、新都心駅前の旧店を移設したもので、この建物は7月、ヨドバシカメラを核店舗とするコクーンシティ第3棟としてオープンしている。
周辺の商業環境が変わるなか、ライフコーポレーションは改装によって競争力アップを図る。豚カツやたこ焼き、ベーカリーなど従来からある食品テナント6店のスペースを見直し、直営売場を広げた。テナントを含む売場面積は642坪で、食品売場が617坪のイトーヨーカ堂と規模の遜色はない。改装前の年商が21億5000万円で、改装後も同水準を計画する。
オープン時間を30分早め、午前9時開店とした。そのほかイートインスペースは席数を増やし、手洗い場を新設するなど使い勝手を高めた。また、セルフレジを4台から6台に増設している。
半月ほどかけた改装期間に、一部の食品テナントの位置を含め、売場レイアウトを一新した。農産・水産を展開する第1主通路と、ベーカリーや惣菜、畜産の一部と洋日配で構成する第3主通路の幅は広く確保している。
惣菜のPC機能を担う船橋プロセスセンター(千葉県船橋市)から供給するメニューが拡大中で、新カテゴリーとして「野菜たっぷりタンメン」(398円)や「かき揚げうどん」(298円)などレンジアップ商品の供給が始まった。また、インストア調理のカツ丼やチキン南蛮、焼鳥の一部も、タレは船橋PCで製造する体制に改めた。味の決め手となるタレを内製化することで、主力商品の独自性を高める。

「チーズハウス」 セルフ式で導入

惣菜売場に隣接し、ナチュラルチーズコーナーを導入した。錦糸町駅前店(東京都墨田区)などの数店で展開している対面コーナー「チーズハウス」のコンパクトタイプで、さいたま新都心店ではチーズの店内カットは行わない。改装前からワイン需要の高い店舗特性を踏まえ、関連カテゴリーとしてチーズの専門性を高めた。
ワイン売場は、国産・輸入とも品揃えを充実させ、同社オリジナルワインもコーナー化する。また、ルーマニアやスロバキア、ロシアなど、チェーンストアでは取り扱いが少ない東欧諸国のワインコーナーを新設している。同コーナーでは1000円台後半から2000円台を中心に品揃えし、ワイン利用客の深堀りを目指す。
同店から始めた新コーナーのひとつが個食の冷凍スイーツだ。「モチクリームアイス」のブランド名で、数十アイテムを揃える。中心価格帯は128~158円で、モチを使った和風・洋風のデザートのほか、「いそべ餅」など甘くない商品もある。
<店舗概要>▽所在地=さいたま市大宮区吉敷町4-267-2▽売場面積=2123㎡▽営業時間=午前9時~午後10時▽従業員=社員15名、パートナー64名▽店長=名取悟
日刊流通ジャーナル2015年9月4日号より