
ライフコーポレーション(岩崎高治社長)は11日、売場面積300坪以下のプロトタイプと位置づける品川御殿山店(東京都品川区)を開設した。生鮮の栗橋PCと惣菜の船橋PCを活用し、インストアの作業負担を軽減したうえで生鮮部門の惣菜商品など新規MDを導入している。売場を生鮮・惣菜ゾーンと日配・グローサリーゾーンに二分し、導入部では生鮮・惣菜の鮮度感を印象づける。300mの距離にある大崎ニューシティ店(東京都品川区)と機能を分け、商圏のシェア向上を図る。
同店はJR大崎駅から北へ約5分ほどに位置する。三井不動産による再開発エリア「パークシティ大崎」の商業施設内に出店した。総投資額は5億円で、売場面積は251坪、初年度は年商14億5000万円を計画する。限られた売場のなか、イートインスペースを20席分確保した。
商圏1km内には約3万3000世帯・6万人が居住する。8割近くが2人以下の少人数世帯で、30~40代の構成比が4割を占める。
新店は、大崎駅前にある大崎ニューシティ店と、JR五反田駅への通り沿いにある東五反田店(東京都品川区)からそれぞれ300mほどの距離にある。とくに大崎ニューシティ店とは、同じ駅利用客を取り込むため商圏の大部分が重複する。機能のすみ分けにより、商圏内のシェアアップを目指す。
岩崎社長は、「商圏にはいろいろなニーズがある。1店舗では完結しない部分を、2店舗で幅をもたせて対応していく」という。
商圏は高所得者の割合が高く、新店の周辺は駅前よりもその傾向が強い。売場面積が400坪近くある大崎ニューシティ店は、ベーシック部分の幅を十分に確保し、品川御殿山店はアッパーゾーンを一段と充実させることが基本方針だ。チラシも別々とし、異なる販促企画を打っていく。

250坪で500坪型の魅力を打ち出す
また品川御殿山店は、300坪以下の売場で500坪型と遜色ない魅力を打ち出すプロトタイプとしてMDを再構築した。今年6月に開設し、売場面積275坪と1回り大きい新御徒町店(東京都台東区)が5875アイテムであるのに対し、品川御殿山店は6515アイテムを揃えている。生鮮・惣菜は、500坪型と遜色ないアイテム数を取り扱う。陳列の工夫で品揃えの幅を確保している。
売場レイアウトは、生鮮・惣菜ゾーンと、日配・グローサリーゾーンに二分した。入口からは青果の平台と、作業スペースを併設した惣菜売場が見えることにより、鮮度感や活気、実際の面積に比べ開放感のある雰囲気をつくり出す。
水産・畜産部門は、バックヤードの設備を一部共有化し、魚屋の惣菜・肉屋の惣菜をコーナー化した。肉屋の惣菜商品は初導入となった。魚惣菜は焼魚・煮魚などで構成し、新たに生原料を使ったアジフライを商品化した。精肉惣菜は、「あまに豚」を使ったこだわりのロースカツをはじめ、揚げ物・焼き物を揃える。
酒類売場の一角にチーズコーナーを配置した。専門性を高めるため、宮内二丁目店(神奈川県川崎市)の対面販売コーナー「チーズハウス」で加工したナチュラルチーズを供給する。この方法によるチーズ強化コーナーは、今月リニューアルオープンした「さいたま新都心店」(さいたま市大宮区)に続く導入事例となった。

日刊流通ジャーナル2015年9月15日号より