
いなげや(成瀬直人社長)は11日、川崎市麻生区に「新ゆり ヨネッティー王禅寺前店」を開設した。生鮮各部門でワインのある食卓提案を行うほか、健康を切り口に加工食品と雑貨を集合展開するなど、SSMの売場づくりを進化させた。惣菜は量り売りやスープバーを導入した。60席のイートインコーナーにはコーヒーサーバーに加え、ジュースバーを設置した。「将来的にイートインはレストランをイメージしたものに進化させたい。商品を育成し、提供方法を検証していく」(成瀬社長)としている。
量り売り惣菜やスープバーを導入
同店は小田急小田原線・新百合ヶ丘駅から東へ1.5㎞に位置する。川崎市9店目で麻生区へは初出店となった。土地の取得を含め36億円を投資し、ピロティタイプで売場面積620坪、駐車場は226台を確保した。商圏は1㎞内の9700世帯・2万4000人を想定している。周辺は持ち家比率が76.3%、このうち一戸建てが63.1%と高いことに加え、平均年収も高い。
量り売り惣菜やスープバー、生鮮強化、健康関連商材の集合陳列など、最新の取り組みを集積した。
店づくりの方向性について、門平一夫店長は次のように語った。
「前任の調布仙川店(東京都調布市)の経験上、高所得者が多いエリアでは洋風メニューが受け入れられやすい。各部門で洋風メニューを軸にワインのある食卓提案で生鮮強化を図った。また今期取り組んでいる生鮮の主通路にテーマを設定したグローサリーのアイランドを複数展開し、生鮮とグローサリーの連動性を高めた。
さらに健康の切り口で、スーパーフード、食用油、サプリメント、機能性表示食品、特定保健用食品(トクホ)、大豆ミート、グラノーラ等の食品に加え、オーガニック素材を使用したコスメやヘアケア、石鹸、タオル等の雑貨など、これまで各カテゴリーに点在していた商品200アイテムを集合展開した。新百合ヶ丘駅と東急田園都市線のたまプラーザ駅間のエリアから広く集客したい」

食事を想起するイートインコーナーへ
20種類の量り売り惣菜や4種類のスープバー、5種類のジュースバーを導入し、イートインコーナーのサービス機能強化につなげる。惣菜を柱としたSMモデルの進化で、イートインコーナーを軸に、商品・サービスをレベルアップし、将来的にはレストランをイメージしたゾーンを目指す。
「現状のイートインはカフェスタイルにとどまっている。明確に食事をイメージできるコーナーに進化させたい。今冬、SCららぽーと立川立飛(仮称、東京都立川市)にオープンする店で、レストラン化に向けた取り組みを集大成する」(成瀬社長)

日刊流通ジャーナル2015年9月24日号より抜粋