
新松戸駅前店 ヘルス&ビューティ機能を確立へ
マツモトキヨシホールディングスの事業会社、マツモトキヨシ(成田一夫社長)は9月30日、新松戸駅前店(千葉県松戸市)をリニューアルオープンした。既存の物販ゾーンに、薬剤師や管理栄養士、化粧品担当の専門スタッフがカウンセリングや検査を通じ、顧客それぞれに最適なソリューションを提案する「マツキヨLAB(ラボ)」を導入した。業態の垣根が低くなる中、ドメインのHBCで専門性を追求し、新たな商品・サービスを開発して次世代モデルの構築に取り組んだ。

マツモトキヨシHDとして、さまざまなカテゴリーをラインロビングしながら利便性を高め、価格訴求や小商圏対応を追求する従来型ドラッグストアのビジネスモデルの変革を見据えていた。今期、ホールディングスの経営企画部や調剤推進部、商品部、店舗運営部など複数の部署から担当者を選定してタスクチームを立ち上げ、次世代型ドラッグストアを検討してきた。
コアカテゴリーのHBCで、商品やサービス、専門スタッフの職域拡大、部門間連携など、売場づくりを進化させた「マツキヨLAB」を開発した。薬剤師や管理栄養士、化粧品の専門スタッフを配置してカウンセリング、検査を通じ、顧客に応じた商品、健康管理、美容、食事などのソリューションを提案する。
タスクで中心的な役割を担った経営企画部の松田崇次長は、次世代モデルの方向性について次のように語った。
「生活者のライフスタイルが多様化する中、物販を中心としたモデルではニーズに対応しきれなくなっている。サービスを開発し、健康と美の新しい体験を提案する。商品・サービス・ヒト・仕組みを有機的に組み合わせ、オリジナリティあるフォーマットを構築し、同質競争から脱却する。広く健康と美をターゲットとすることで、薬剤師や管理栄養士の職域拡大につながる。
また将来的に、物販のポイントカード情報、カウンセリングデータ、オンラインストアの購買履歴、LINEをはじめとするSNSやスマートフォンアプリなどコミュニケーションツールの情報を融合し、顧客ごとに最適な商品・サービスを提案するOne to Oneマーケティングにつなげる」

部門間の連動性を高めた売場づくり
健康食品の新PB「マツキヨLAB」
新松戸駅前店はJR常磐線と武蔵野線が乗り入れる新松戸駅前の本社ビル1階に位置する。本社を新設した11年4月に調剤とネイルサロンを併設したドラッグストアとしてオープンした。改装でチャコールグレーを背景に白字のロゴに変更した。売場面積141.85坪で、1万7000アイテムを取り扱う。
店舗の前面を日用雑貨や食品、OTCなどを配置した物販ゾーンとし、奥部にマツキヨLABを展開する。関連販売やPOPを活用することなどで、部門が連携した売場づくりに取り組んだ。
マツキヨLABは、ショップ形式で展開する「サプリメントバー」、「ビューティケアスタジオ」、「ヘルスケアラウンジ」の3つのサービスと、商品開発を柱とする。サプリメントバーは常駐する管理栄養士が、顧客の食生活と生活習慣をカウンセリングし、オーダーメイドで最適なサプリメントを分包して提案する。あわせて、健康食品のPB「マツキヨLAB」を立ち上げた。管理栄養士が味わいや成分設計に参画し、第1弾でサプリメント9アイテム、粉末タイプのスムージー3アイテムを開発した。サプリメントは分包の素材としても活用する。
「お客さまは自らの体の状態がはっきりわからないうえに、わかったとしても何をすれば改善できるかあまり知らない。ソリューションを考える中で、PBを活用してバラ販売するサプリメントバーにチャレンジした。値ごろ感があって継続できることを重視し、1人あたり月2000〜4000円を想定している」(松田次長)
ビューティケアスタジオは、カウンセリングで肌の状態を計測し、最適な商品を提案する。「従来、化粧品のカウンセリングデータはメーカーごとに別々だったが、仕組みを変えお客さま基準で1つにまとめた」(同次長)。ここにネイルサロンを隣接した。
ヘルスケアラウンジは調剤に加え、ヘルスチェック、薬剤師の問診による生活習慣アドバイスなど、トータルヘルスケアサービスを提案する。ヘルスチェックの血液検査は検体測定室と郵送健診キットを選択できるようにした。また、薬局で実施可能となった口腔内環境チェックを導入した。口内のpHやタンパク質、白血球、アンモニアなどを検査し、虫歯や歯周病、口臭の危険性をスコア化するとともに、歯科医院への受診勧奨などを行う。

日刊ドラッグストア2015年10月13日号より抜粋