
湘南薬品 駅直結の施設で短時間の買物ニーズに対応
湘南薬品(曽我寿裕社長)は8月17日、既存店舗を改装してドラッグコンビニ2号店「ファミリーマート+湘南薬品戸塚西口店」(横浜市戸塚区)を開設した。激戦区の戸塚駅西口で通勤客などの駅利用者をターゲットに、早朝からのOTCの販売や、短時間での買物ニーズへの対応、コンビニサービスの提供で差別化を打ち出した。
湘南薬品は神奈川県藤沢市を拠点に、県東部の藤沢や横浜市の戸塚、鎌倉市などに出店している。業態はドラッグストア、調剤薬局、化粧品専門店に加え、ファミリーマート併設店の4タイプで、計22店を展開する。
2014年6月にファミリーマートと提携し、11月にコンビニとドラッグストアの一体型1号店「ファミリーマート+湘南薬品ホンマチ薬局店」(神奈川県藤沢市)を開設した。高齢者の処方箋の持ち込み増加を予想し、既存の調剤併設ドラッグストアを改装したもので、中食をはじめとする食品やサービス機能を導入し、ワンストップ性を高めた。リニューアルから約10ヵ月が経過し、当初の見込みどおりに処方箋の応需枚数が増加している。
今回、2号店の「ファミリーマート+湘南薬品戸塚西口店」の開設にあたり、戸塚駅周辺の店舗の再編を図った。同社はこれまで、駅直結の西口の商業施設「トツカーナモール」の3階で、ドラッグストアに加え、化粧品専門店「ラボーテショウナン」と調剤専門薬局を隣合わせで展開していた。ラボーテショウナンは東口の基幹店が吸収するかたちで閉店し、調剤専門薬局をドラッグストアの場所に移転させ、店舗面積約30坪を確保した。

速さを求める客をターゲットに
同店の左隣にはマツモトキヨシがあるほか、トツカーナモール周辺にはツルハドラッグやサンドラッグ、ハックドラッグなどが出店し、激戦区となっている。そこで通勤・通学などの鉄道利用客や、トツカーナモールへの来店客のニーズを充たすコンビニドラッグへの転換を選択した。
トツカーナモールの3階は、連絡橋でJR戸塚駅に直結しており、モールの中を通り駅に向かったり東口側へ移動する人が多いことから、中食や各種サービスのほか、早朝や夜のOTC需要があると見込んだ。
OTCは午前7時から午後10時まで、出入口近くの3尺コンドラ2本で展開する。解熱鎮痛薬やパーソナルユースの感冒薬、目薬、下痢止め、胃腸薬などを中心に、指定第2類、第2類、第3類の約200品目を展開する。周辺のドラッグストアの開店時間は早くても午前9時30分のため、朝の時間帯の購入が多いが、想定以上に昼や夜の動きが良い。
山口光紀新規業態リーダーは「医薬品を買い慣れていない人でも商品選びを迷わず、短時間で購入できることを目指し、知名度が高いNBを中心に、品目を最低限に絞り込んだ。戸塚区民の当社に対する知名度の高さもあり、隣のマツモトキヨシの開店時間でも、当店に駆け込みOTCを買って駅に向かう人は多い」と語る。
OTCも含めて仕入はファミリーマートを通じておこない、売価もコンビニ価格を踏襲している。化粧品や化粧小物、ナプキンなどの日用品についても、主に30~40代の有職女性を中心に買い求めていくという。
食品売場のチルドケースでは、弁当やパウチの惣菜に加え、生玉子、豆腐、納豆などの日配やカット野菜を展開しており、仕事から帰宅する女性が購入する。隣には各種ビタミンをはじめパウチタイプのサプリメントを展開し、不足しやすい栄養素の補給を提案している。一方、同社の健康食品のPBは相談販売が求められるため、導入を見送った。

日刊ドラッグストア2015年9月17日号より抜粋