
ヤオコー(川野澄人社長)は13日、埼玉県朝霞市に朝霞岡店を開設した。従来の部門ごとの取り組みから、安心・安全を含めて健康的な食生活を提案する店づくりに取り組んだ。惣菜で女性をターゲットに十六穀米を使用したおはぎや弁当、糖質オフのブランパンを開発したほか、精肉であらびき挽肉や国産豚の赤身挽肉などの品揃えを充実した。グローサリーは嗜好品のくくりで食用油やスーパーフード、シリアルなどをまとめた。健康訴求型MD構築に向けたスタートの店舗と位置づける。
同店は東武東上線・朝霞台駅およびJR武蔵野線・北朝霞駅から東南へ1㎞に位置する。朝霞市への初出店となった。土地の取得を含め20億円を投資し、敷地面積1492坪、駐車台数は平面に42台、屋上に65台の計107台を確保した。商圏は1㎞内の1万1300世帯・2万5200人を想定している。周辺は単身・2人世帯が6割超で、30〜40代の構成比が高く、人口・世帯とも増加している。
安心・安全を含め健康感を打ち出したMD構築に取り組んだ。ヤオコーとして14年度以降、健康訴求型商品の開発を全社的なテーマに掲げており、これまで部門ごとに進めてきたものを店舗全体の取り組みに進化させた。

売場面積は537坪で、1万3800アイテムを取り扱う。青果は味覚の特徴にとどまらず、産地や栽培方法などを明示したPOPを活用し情報発信を強化した。商品を理解し、納得してもらうことを通じ、安心・安全感を訴求する。また、旬の商材を打ち出し、カラーコントロールをテーマにMDを構築することで食卓の彩りや栄養バランスのよい食事づくりを提案する。袋野菜とメニュー対応調味料を関連陳列するほか、ブロッコリースプラウト、カイワレ、レッドキャベツスプラウトなど7アイテムを高成分野菜としてハーブ類と隣接してコーナー展開した。
鮮魚はコア商材のマグロを種類、部位ともバラエティ豊かに展開する。生や冷凍の本マグロ、メバチマグロのほか、通常の幼魚から育成する養殖でなく成魚を短期養殖(畜養)した本マグロ、4月にオープンしたららぽーと富士見店(埼玉県富士見市)でコーナー化したミナミマグロを品揃えし、それぞれ赤身や中トロの冊、盛り合わせの刺身などで商品化する。近海魚の丸魚は日々、売り込み商材を明確化し、オープンキッチンで調理加工を受け付ける。
精肉は九州産と北海道産の国産牛肉を主力で展開し、挽肉の品揃えを充実した。牛豚の合挽、豚、鶏であら挽き肉を開発したほか、国産豚赤身や鶏でブランド肉の挽肉を商品化する。また惣菜売場で展開するミートデリで、ミスジのローストビーフを開発し差別化を図った。

日刊流通ジャーナル2015年11月18日号より抜粋