
いなげや(成瀬直人社長)は惣菜、生鮮の強化を基本に、地域密着型の店づくりに取り組んでいる。即食、簡便、健康などを切り口に、新店、改装で新しいMDにチャレンジし、レベルアップが図られている状況にある。従来、アッパー業態として展開していたブルーミングブルーミーはポジションが変わり、いなげやの最新MDを取り入れた店舗となった。駅ビルや複合施設内への出店に際し、店舗ブランドとしてブルーミングブルーミーを使用している。最新の西武本川越ペペ店も惣菜、生鮮の強化を基本にMDを組み立てた。
ブルーミングブルーミー西武本川越ペペ店は西武新宿線・本川越駅に隣接する商業施設の地下1階に居抜きで出店した。売場面積449坪で、ブルーミングブルーミーとして5店目となった。商圏内には高齢者、20代の単身者が多い。ボリュームゾーンの30~40代を含め、幅広い層に対応する。また本川越は蔵の街として観光客が多く、地場野菜、地場メーカーの商材で構成する「さんさん市」コーナーに、菓子を中心に土産物を揃えた。惣菜でも、川越産のサツマイモを素材とした天ぷらなどを商品化する。
ブルーミングブルーミーの先行4店の業績は、立地によって格差がみられるという。駅前商業施設の地階に出店した八王子店はターミナル立地で、広域から集客している一方、狭山店(埼玉県狭山市)は足元商圏での支持が高い。西武本川越ペペ店は前述のように、幅広い年齢層と観光客をターゲットとし、品目数はいなげやの標準の450坪タイプを上回る1万1291アイテムを取り扱う。
「現在、いなげやはフォーマットありきではなく、地域密着を優先し、エリア内でどうあるべきかということで、品揃えを追求している。最近の新店はMDが向上しており、いなげや、ブルーミングブルーミーで品揃えを変えているわけではない。今回のようにデベロッパーの要請で、駅ビルなどの商業施設はブルーミングブルーミーで出店する。ただ、12月にオープンするららぽーと立川立飛は、アッパーなものを志向する」(島本和彦取締役販売本部長)

日刊流通ジャーナル2015年11月19日号より抜粋