
新店専門の店長を任命、立ち上げの効率を高める
マルエツ(上田真社長)の小型店フォーマット「マルエツ プチ」は、9日にオープンした神田神保町二丁目店で67店となった。これまで、青果を除くほとんどのカテゴリーを対象とする自動発注システムや、三郷複合センター(埼玉県三郷市)からの小ロット配送などにより、ローコスト運営の仕組みを整えてきた。今期は新店の立ち上げを効率的に行うため、オープン時には新店専門の店長に任せる体制を取っている。

マルエツ プチの運営は、店長と2名の営業マネージャーが中心となる。営業マネージャーの管轄は、生鮮・惣菜と加工食品に大別される。個店をフォローするスーパーバイザー的な役割として、部門ごとのフィールドマンが店舗を巡回する。
プチの売場面積は30坪台から200坪未満まで幅広く、基本的に居抜きのためレイアウトは物件に合わせて柔軟に変更する必要がある。以前から専任のマーチャンダイザーを置き、店舗ごとに売場レイアウトや棚割を構築してきた。
今期は、新店の立ち上げをより効率的に行うため、原則として店長も新店専任者に任せている。古瀬良多副社長は、「新店専任の店長が数名いて、彼らをサポートするチームがある。力が必要な立ち上げ時の取り組みを、マニュアルに近いかたちで効率的に行うための体制だ。通常のSMの場合、エリア特性を踏まえる比重が高まるので、プチのようにはいかない」という。
自動発注システムは、既に青果を除くすべてのカテゴリーに導入している。今後、青果でもJANコードのつく商品は自動発注に切り換えていく。「プチで培った自動発注の仕組みは、標準店・大型店にも拡大していく」(古瀬副社長)
74坪の売場面積に4909SKUを集積


神田神保町二丁目店は、神保町駅から徒歩5分に位置する。今期12店目の出店で、そのうちプチは7店目となった。コンビニの居抜きへ出店し、上層階はオフィスビルとなっている。商圏は300m内の約1800世帯・3100人と設定する。マンションなどの建設が進み、世帯数は増加傾向にある。また、オフィスワーカーや学生が多く、昼間人口が膨らむ。
売場面積はワンフロア74坪で、第1主通路に生鮮3品を展開する。最奥部はビールなどの冷ケースを配置し、第3主通路は主に惣菜で構成する。カウンターにはレジを3台設置した。
鮮魚・精肉は全て三郷複合センターから供給する。インストアで加工するのは惣菜と、青果の一部商品となっている。惣菜の握り寿司は、週末と平日で商品構成を変える。
これまでのプチと同様、限られたスペースで最大限の品揃えに取り組む。同店では74坪の売場に4909SKUを揃える。各カテゴリーに上質品を挿し込み、品揃えの幅を確保するほか、キッチン雑貨・日用雑貨も揃え、SMに求められるカテゴリーは一通りカバーする。
エンドでは、クリスマスなどのパーティーシーンを意識したスパークリングワインの展開や、正月の鏡餅を陳列するなど、催事の要素も取り入れた。酒類コーナーの脇に高級缶詰を置く関連提案や、カウンターレジ前の壁面に飲料・酒類の新商品コーナーを設けるなど、販促スペースも確保している。
日刊流通ジャーナル2015年12月14日号より抜粋