クレハはNEWクレラップによるおにぎりづくりの提案で、需要の拡大に取り組んでいる。イベントの実施、ラジオ番組への協賛、おにぎりコンテストなどで、ラップでおにぎりをつくることを啓蒙している。のりメーカーともタイアップし、専用什器によって、おにぎりづくりを提案し、クロスMDに寄与している。さらにイベントを通して、ユーザーとダイレクトにアプローチし、消費の実態を把握し、プロモーションの見直しなどに反映させる考えだ。
「従来、おにぎりはアルミホイルに包まれていたが、ラップでつくるようになり、市場が膨らんだと想定している。そういう視点で、まだ需要を喚起することができる。例えば、1世帯でおにぎりを1カ月に10個つくっているとすると、これを20個に増やすことで、ラップの使用量は伸びる。
いま『おにぎらず』というものが広がっているが、そういうものと連携することで、さらに増やすことができると思っている。今年から東京FMで週1回放送される『アグリズム』に当社と全農が協賛している。当社は、おにぎりの拡大をねらっている。番組のメインテーマは『おむすび』である。人の心と心をむすぶことに、ひっかけた。番組でイベントを実施し、3世代の10家族に集まっていただいた。
料理研究家がおにぎりのレシピを紹介したほか、のりや具材を使った似顔絵おにぎりのつくり方を紹介し、実際につくってもらった」(山田文彦執行役員家庭用品事業部長)
また全国紙の小学生新聞とタイアップして校長に手紙を出し、おにぎりコンテストで、生徒が考えたおにぎりを募集し、ホームページで紹介している。「流通の幹部の方々との話しで、店頭販促、条件交渉も大事だが、メーカーに一番期待しているのは、市場を大きくすることだといわれた。用途拡大に、メーカーが真剣に取り組むことを要望されている。ラップの用途拡大を開発部が考えているが、中々、新しいものが出てこない。既存の用途で、もっと伸ばすことに取り組んでいる」(山田執行役員)
また、おにぎらずが話題になり、写真をパッケージに入れたのりメーカーもある。のりメーカーとコラボで専用什器に、のりとNEWクレラップを並列することを提案している。
食品と日用品のクロスMDは実現が難しいが、のりをベースにおにぎらずを提案すると、のりの売上拡大が見込めれることから、導入するケースが多いという。
日刊ドラッグストア2015年11月16日号より抜粋