
トモズ(師岡伸生社長)は面対応の調剤とOTC、化粧品の取り扱いで専門性を深めると同時に、日用品や食品で利便性を高めた地域密着型のドラッグストアを志向する。12年1月に少子高齢化に対応した新タイプの展開をスタートした。20~40代女性を主なターゲットとした店づくりを刷新するとともに、看板を従来の赤からミッドナイトブルーに変更したことで青トモズと称している。9月29日にオープンした高田馬場店(東京都新宿区)はオフィスと住宅ニーズに対応したMDを構築した。

同店はJR山手線と西武新宿線が乗り入れる高田馬場駅から西へ400mの幹線道路沿いに位置する。複合ビル1階のファミリーレストランの居抜き物件に青トモズで出店した。
青トモズは原則、調剤を併設し、OTCと化粧品を核とする専門性の高いフォーマットを志向する。立地や商圏、売場面積等によって、日用雑貨に加え、中食を含む食品やペット関連などのカテゴリーを選択し、利便性を併せ持った地域密着型の店づくりに取り組む。調剤は導入部やレジ横など、視認性の高いゾーンに設置し、認知アップにつなげる。全社ベースで調剤の売上構成比は約30%で推移しているという。
壁面は医薬品(調剤とOTC)を青、化粧品を紫、トイレタリー・サンドリー(日用雑貨)を黄緑、食品を黄色で色分けし、ゾーニングを明確化する。医療機関としての認知を高め、調剤の拡大につなげるため、売場づくりはクリンリネスと整然とした陳列で回遊性を重視している。販売強化商材やクロスMDによるプラス1品の訴求などはエンドや定番棚で提案する。
青トモズのこれまでの推移について、店舗運営部兼営業推進部の大澤清隆マネージャーは、「従来の20~40代女性を主なターゲットと想定した店づくりから脱却し、広く老若男女に支持される生活ストアを追求する。1号店の水天宮前店(東京都中央区)やコレド日本橋店(同)はオフィス立地だったことで、弁当やおにぎり、サンドイッチ、パン、飲料など中食を含む食品カテゴリーを充実し、カウンターコーヒーやコピー機、イートインコーナーを設置した。住宅立地の小田急マルシェ玉川学園前店(東京都町田市)やららぽーと海老名店(神奈川県海老名市)などは食品を絞り込んだ。全社で食品の売上構成比は8%程度で、地域密着型の店づくりを優先し個店ごとに最適な品揃えを追求する。調剤に加えてOTC、化粧品、トイレタリーをきっちりと品揃えし、専門性と利便性を併せ持つことで、医療を担う地域密着型小売業のポジショニングを確立したい」と語った。


日刊ドラッグストア2015年12月14日号より抜粋