長谷川正昭社長インタビュー
相鉄ローゼン(長谷川正昭社長)は既存店のテコ入れやオペレーションの見直しなどによって、既存店が13年6月から30カ月連続前年をクリアしている。この上期の既存店は5.9%増だった。グループの事業再編で、専門店、デベロッパーなどを分離し、売上の構造が変わったが、15年度は純利益で過去最高益を更新する見通しだ。長谷川社長は「これから、SMの中での拡大が課題になる」という。駅前の300坪タイプのノウハウを確立しつつあり、相鉄線沿線を中心に年間2店ペースの出店を目指す。

――以下は、長谷川社長の発言要旨である。
やみくもに出店するわけではないが、いい物件があれば毎年、出店したい。15年11月にオープンした平塚梅屋店(神奈川県平塚市)は非常に好調だ。先行して9月に移設オープンした南まきが原店(横浜市旭区)は駅からの導線が微妙に良くなった。売場の規模は同等で周辺の人口は増えず、競合が出てむしろ環境は厳しいが、即食型商品の集積など、重点商品をきちんとみせることで、売上は30%増で推移している。リタイアされ、生活にゆとりのある方が、散歩がてら寄ってくださることを想定したMDがうまくいった。少し上質なものが受け入れられている。
これは14年6月のいずみ野駅前店(横浜市泉区)に続く、相鉄いずみ野線沿線のリノベーションである。グループが連携して駅前開発に取り組み、商業施設や住宅を整備する。そのキックオフとして、相鉄ローゼンが移設オープンしている。いずみ野駅前店も30%増で推移している。今後も、いずみ野線沿線で同様のプランがある。
また平成30年には、相鉄線がJR、東急線と乗り入れ、沿線の価値が高まる。流通もグループの柱のひとつとして、シナジー効果の発揮に尽力したい。
33店を40回改装 部門を越えた売場づくりが進行
最近の新店の規模はそれほど大きくないが、駅前立地の特性を配慮し、早朝から深夜まで営業している。売場をじっくり回って買物されるお客さまは少なく、即食型商品を強化すると同時に、短時間で購入できるように入口付近にコーナー化している。いま業績が好調な要因のひとつだと考えている。消費税増税で外食を減らすことで、即食ゾーンの商品が伸びているようだ。数年前から既存店のテコ入れを行っているが、この上期は33店を改装した。即食ゾーンの導入をはじめとする売場の見直しのほか、LED照明、リーチインケースへの変更を行った。2回に分けてテコ入れした店舗もあり、総数で40回のテコ入れを行った。現在の店舗数は53店である。
日刊流通ジャーナル2016年1月4日号より抜粋