阪食(河村隆一社長)は15年11月17日、高質食品専門館のノウハウを集大成した「箕面船場店」(大阪府箕面市、売場面積450坪)をオープンした。基本テーマは「みんなで創る あなたの市場 阪急オアシス」で、「食のプロフェッショナル」、「安心安全な高品質食品」、「ライブ感あふれる市場」をアピールして、新たなブランディング戦略の旗艦店に位置付けている。今年5月には、高質食品専門館のノウハウをさらに進化させた「吹田片山店」(大阪府吹田市、売場面積347坪)をオープンする。
——以下は河村社長の発言要旨である。
箕面船場店は、北大阪電鉄南北線が千里中央駅から北に1駅延伸される箕面船場駅前の繊維団地内の商業ビル1階に出店した。
これまで開発してきた高質食品専門館のコンテンツを再編集する一方、コンテンツの中身を入れ換え、新たなコンテンツを開発して差し込んでいる。
例えば、ドライフルーツコーナーはアイテムを一挙に増やし、迫力ある陳列で提供している。またキッチンステージは、チーズ、生ハムなどの売場と連動させ、切り分けるなど臨場感を演出している。
さらに熟成牛は、熟成牛を素材とした惣菜と新たに組み合わせ、「熟成屋」のコーナー名で展開している。オリーブバーでは量り売りも行っている。このほか1分半で焼き上げる本格的な石窯を導入した焼きたてピザも好評だ。
カットサラダは、ニューヨークのホールフーズマーケット(Whole Foods Market)を参考に、立て陳列で提供しており、なかなか迫力のある売場づくりに挑戦している。床はセラミック製の木目調で、天井はスケルトンだが白く塗っており、落ち着いた雰囲気に仕上げている。
この箕面船場店に続き12月14日には、高質食品専門館を一段アップグレードした「甲陽園店」(兵庫県西宮市、売場面積300坪)をオープンした。阪急電鉄甲陽線甲陽園駅前に出店したもので、山の斜面に沿って2層式で展開している。1階は狭いため生花などの売場とし、ほとんどの売場を2階で展開している。
これまで甲陽園は、阪急沿線の高級住宅地でありながら用地確保が難しく、当社としても空白立地だった。だがさすがに阪急オアシスの知名度は高く、商品知識が豊富なお客さまが多く住んでいる。このためロイヤルカード会員の獲得もスムーズに進んでいる。
例えば人気のスパイスは、10グラム100円で少量ずつ出てくる容器で販売しており好評だ。コーヒーも少量ずつ自分でブレンドできるとしてお客さまに喜ばれている。なお制服やショッピングバックなどは前述の箕面船場店から一新した。従業員の全員参加でデザインやカラーを決めている。
日刊流通ジャーナル2016年1月20日号より抜粋