
時間帯ごとに客層のターゲットを明確化
ヤオコー(川野澄人社長)は1月19日、今期5店目の鶴ヶ島店(埼玉県鶴ヶ島市)を開設した。東武東上線鶴ヶ島駅から約1㎞の生活道路に面している。隣駅の若葉駅は、東口に旗艦店のワカバウォーク店(埼玉県鶴ヶ島市)、西口には小型の若葉駅西口店(同)がある。市内およそ2㎞内で3店舗のドミナントを形成する。
足元1㎞には8500世帯・2万人が居住する。30代後半〜40代前半と、60代がボリュームゾーンとなっており、単身と2人世帯で約6割を占める。ただ、店舗は小学校に隣接していることから、周辺には子育て世帯も多い。こうした商圏特性に対応するため、時間帯ごとにターゲットを設定し、時間帯別MDを掘り下げる。
午前中はシニア、夕方は子供連れの主婦、夜間は帰宅途中のOLや男性単身者の取り込みを強化する。これは商圏特性を踏まえた既存店のFSPデータに基づくターゲット設定で、他店でも同様の取り組みを広げつつある。


女性向け即食メニューを拡充
売場面積は505坪とやや小型だが、MDは標準タイプと位置づける。レイアウトも生鮮と惣菜を分離した標準モデルを採用している。
夕方のターゲット層を意識した施策として、最終コーナーは壁面でサラダ・サイドディッシュとワインをコーナー化するほか、オープンケースを使って精肉のミートデリカと惣菜部門のメニューを連動させ、即食ゾーンを充実させる。とくに惣菜は、女性を意識した商品としてアボカドを使ったグリルメニューや、グリルチキンを添えたラタトゥイユ、魚介のアヒージョ(いずれも本体価格498円)といった洋風メニューを充実させる。昼食時には「十六穀米弁当」シリーズ(398〜498円)を平台で展開する。
鮮魚は、オープンキッチンの前面で切身の提案に力を入れる。旬の魚の切身でメニュー提案に取り組み、半調理品も隣接させる。
惣菜部門は、焼餃子や寿司、カレーパン、ピザなどでオペレーションを見直し、各時間帯で出来たての提供を強化する。また、菓子パンに扉付きケースを導入した。

日刊流通ジャーナル2016年2月4日号より抜粋