
食品売場にもドンキ流のアミューズメント要素を盛り込む
ドン・キホーテ(大原孝治社長)は5日、JR立川駅北口から徒歩5分のダイエー跡に、MEGAドン・キホーテ立川店(東京都立川市)を開設した。6フロア構成で、地下1~地上1階はSM機能をフルラインで備えた食品フロアとなっている。魚惣菜にコンセを導入した以外、生鮮・惣菜はインストアベーカリーを含め直営で行う。食品のMDは長崎屋のノウハウをベースとしつつ、独自の手書きPOPの多用や「驚安」価格の打ち出しなど、ドンキ流のエッセンスを強めている。


価格と品揃えで驚きを演出
食品フロアは地下1階が生鮮・惣菜と和日配や調味料、1階がグローサリー、洋日配、酒類となっている。旧店を改装する際、生鮮・惣菜の壁面はすべての部門をシースルー化した。独自書体の手書きPOPを生鮮・惣菜売場に多用するほか、高さのある什器を使ったグローサリーの陳列、特売価格を天井から吊り下げて訴求するなど、ドン・キホーテ流の売場演出を強めている。
MDの中心は価格訴求で、「驚安プライス」、「圧倒価格」、「限定価格」、「ロープライス保証商品」などのPOPで打ち出す。また、精肉と惣菜の弁当などでお得感のある「メガ盛」も商品化していた。アミューズメント性を打ち出したコーナーとして、青果ではカットパインの詰め放題、惣菜は48円の個包装寿司を展開する。
価格訴求の一方、精肉では佐賀牛、TOKYO Xなどのブランド肉、鮮魚はクロアチア産の本マグロといった上質品の提案も行う。精肉は熟成肉も提供するほか、冷凍ではヒグマ、カンガルー、ラクダ、ウサギの肉を揃えるなど、価格以外でも驚きを演出する要素を盛り込んでいる。惣菜売場の一角に、コンセで魚惣菜を導入した。これもMD上、価格以外の訴求ポイントとして直営を補完する役割を担う。


バーでワインを試飲
1階の酒類売場に、初めての試みとしてワインを提供するバーを設置した。店内で販売するワインを50〜2000円の価格帯で試飲できる。また、チーズや生ハムの売場も連動させ、これら商品もバーで提供する。
布施店長は、「当社は高額ワインの取り扱いも多いが、必ずしも売れるわけではない。最近の他チェーンの取り組みも参考に、まずグラスワインで試していただくことで、販売につながればと考えた」という。バーは午後12時から9時を営業時間とする。座席数は10席ほどで、試飲に特化した機能となっている。


日刊流通ジャーナル2016年2月10日号より抜粋