
伊勢丹に7.8坪の売場で出店、ほぼオリジナル商品で構成
明治屋(米井元一社長)は2月24日、伊勢丹相模原店の地下1階に相模原ストアー(神奈川県相模原市)を開設した。食品フロアの一角への出店で、売場面積は同社最小の7.8坪となっている。品揃えは約900アイテムで、ほとんどオリジナル商品で構成する。「MYブランド」、「おいしい缶詰」といった自社製品や直輸入品のほか、小売事業本部が開発した留め型の「明治屋ストアー推奨品」をすべて揃える。従業員は店長を含めすべて女性とし、試食などの情報提供によりトライアル獲得に取り組む。
同店は小田急小田原線・相模大野駅から徒歩5分の伊勢丹地下1階にある。総店舗数28店のうち百貨店内は20店目で、伊勢丹には初の出店となった。
地下1階は食品フロアで、明治屋は集中レジ外の専門店ゾーンに展開する。グローサリーを中心に、日配や加工肉なども揃えるが、酒類は取り扱わない。品揃えのほとんどを自社製品や直輸入品、留め型の明治屋ストアー推奨品のオリジナル商品で構成する。オリジナル以外の商品は、季節催事の菓子など一部に限定した。
小売事業本部管理部の須藤仁史課長は、同店のMDについて次のように語る。
「限られたスペースでいかに独自色を出すかを考え、思い切ってオリジナル商品だけで構成することにした。他のショップで酒類を購入されたお客さまが当社でおつまみを購入するとか、ベーカリーを買われたお客さまがジャムをお買い求めになるとか、他の専門店とカテゴリーを補完し合うなかで当社らしさを発揮していく」
留め型の明治屋ストアー推奨品は、現在およそ300アイテムとなっている。国内の生産者を中心に、独自の規格で商品化する。相模大野ストアーの開店に合わせ、単価539円(税込)の切身魚のパック惣菜シリーズや、ノンフライ製法による162円のポテトチップス、イタリア産とスペイン産の生ハム食べ比べセット(777円)など新たに24アイテムを追加した。

女性スタッフだけで運営
品揃えを特化した同店は、オリジナル品のアンテナショップのような役割を担う。「MYブランド」のジャムやフルーツ缶をはじめ、全43アイテムに拡大した「おいしい缶詰」など、既存シリーズはフルラインアップで展開する。
「オリジナル品に特化しているので、商品事業、小売事業それぞれの商品を他店よりも分かりやすく提案できる。お客さまのトライアルを獲得するために、試食を積極的にやるなど動きのある売場にしていく。その意味では7.8坪という規模は管理しやすい。店長を含め従業員がすべて女性というのも当店の挑戦の1つで、お客さまに親しまれる雰囲気づくりを期待している」(須藤課長)
全28店のうち2店目の女性店長で、20代は初めてのケースとなった。次世代の顧客獲得は全社的なテーマであり、相模大野ストアーはオリジナル商品の提案だけでなく、若い女性層の開拓に向けた試金石でもある。

日刊流通ジャーナル2016年3月2日号より抜粋