
アトレからパルコに移転、館の客層を拡大
シェルガーデン(藤森敏和社長)は2月27日、吉祥寺パルコ店(東京都武蔵野市)を開設した。地下1階のカフェや雑貨店の跡に出店したもので、111.5坪の売場に生鮮・惣菜、ベーカリーなどフルラインで品揃えする。
吉祥寺エリアには01年3月、駅ナカ商業施設「ロンロン」(現アトレ)のテナントとして出店した。1月末までアトレ内で営業した後、パルコに移転した。アトレには1日、紀ノ国屋の新フォーマット「デイリーテーブル紀ノ国屋」がオープンしている。
駅ナカ施設のアトレに対し、吉祥寺パルコは駅から徒歩3分ほど離れている。利用客は減少する見通しで、販売目標は移転前の5割超にあたる8億円を計画する。ただ、パルコからみればファッション・雑貨など非食品を中心とした従来のテナント揃えに比べ、日常的な来店が見込めるSMの導入によって館全体の客層拡大や利用頻度のアップを見込める。
売場面積はアトレ時代より10坪ほど広がったが、品揃えは5200SKUと大きな変化はない。広がったスペースを活用し、ワイン売場にカウンターを設けて試飲できるようにしたほか、アレルギー対応品を集積したコーナーや、スーパーフードの集合陳列コーナーを展開する。
アトレ時代の主要客層は、40~60代がボリュームゾーンだった。移転後も、オープン直後はその客層をキープしている。周辺に多いヤングファミリー層を取り込むため、前述のアレルギー対応品はグローサリー内のカテゴリー横断で約100SKUを揃える。
旧店はワインの需要が高く、店独自のスタンプカードを発行していた。1000円の購入ごとにスタンプを押し、30個貯まると1000円引きとする。60個以上になると、30個ごとに2000円引きになる。ロイヤルカスタマーを確立していたカテゴリーであることから、移転後も従来通りの品揃えを維持した。また、チーズの冷ケースを隣接させ、ワイン需要を掘り下げていく。そのほか旧店と同じ地元のベーカリーを導入している。


日刊流通ジャーナル2016年3月8日号より抜粋