商品部全体が連携し活性化を目指す
関西スーパーマーケット(福谷耕治社長)は顧客視点でMD、売場の再構築に取り組んでいる。生鮮・惣菜の強化が最大のポイントとなる。生鮮も素材の充実に加え、スパイスをまぶした肉など、半調理品を増やしている。惣菜は鉄板焼き、新型スチームコンベクションの導入で、でき立て感の訴求やアイテムの拡大に取り組んでいる。ハード面の整備は16年度に完了する。また商品部の8部門が連携して、販促立案など店舗全体の活性化に取り組んでおり、これを店舗運営にも反映させたい考えだ。

生鮮・惣菜の強化で300坪型店舗についても十分なスペースを確保し、競争力を高めている。従来、標準の500~600坪型の縮小版となる傾向があったが、一昨年8月に開設した久代店(兵庫県川西市)で見直しを図った。
「300坪タイプについても、限られたスペースで生鮮を潤沢に確保した。普段食べるものを中心とした店をつくることにし、新しい300坪型のスタートとなった。一時期、品目ごとにきちんと温度管理するため、青果の平台をカットしていた。冷蔵して渡さなければならないものはきちんと冷やすという論理に立ち帰ったもので、これによってロス率も改善された。だが商売がしにくく、短時間であればそれほど問題はなく、立体感のある冷蔵平台も出てきた。今後はそういうものも活用しながら、単品のボリューム感を出した売場づくりにも取り組む」(岡秀夫取締役商品本部長)
関西スーパーは生鮮素材を重視してきたが、有職主婦の増加など、社会環境の変化によって、惣菜に加え、簡便商品、半調理品を充実させている。「いままでメーカー商品に頼っていたが、われわれが売っている生鮮品を使って、お客さまがフライパンに乗せる前の段階まで加工しようとしている。まだまだ品目が少なく、売り方がこなれていない。また生鮮を半加工品、惣菜として商品化しており、生、半加工、惣菜と3段階でお客さまにチョイスしていただけるようにしたい」(岡取締役)
惣菜で鮮魚のうなぎやサケを使用した弁当を商品化している。サケは関西スーパーの看板商品の位置づけの「当社自慢の品」の「極紅」の切身を使った弁当のほか、その端材を使った瓶詰のフレークも商品化する。当社自慢の品を活用しながら、SKUを広げていく。現在、20品目を開発している。早急に100品目で、売上構成比10%を目指す。
今期、惣菜のハード整備が完了
惣菜強化の一環で、鉄板焼き、新型のスチームコンベクションを導入した店舗は売上高が2ケタ増で推移している。ドラッグストアやホームセンターなど、あらゆる業態が食の分野に参入している中、SMのコア部門を磨き上げていく。
「ドラッグストアでセルフメディケーションという言葉が聞かれるが、われわれとしても家族の健康を考えている主婦が増えていることを敏感にとらえなければならない。同じ食べるなら、こちらの方が健康にいいとか、だしが効いてるから塩分を抑えても、味がしっかりしているなど、SMとしてセルフメディケーションを後押しする必要がある。売場での提供方法、販促物などで、アピールする。むろん、ベーシック部分がきちんとしていることが前提となる」(同)
日刊流通ジャーナル2016年4月8日号より抜粋