
西友(上垣内猛CEO)は2日、東京都練馬区に豊玉南店を開設した。1階は151坪の売場、2階はネットスーパー専用の在庫をストックするフロアとなっている。リアルとネットを合わせた売上で収益の最大化をねらうハイブリッド型店舗で、ネットスーパーの受注・発送能力は既存の拠点店舗の3~4倍に引き上げる。ウォルマートグループがグローバル戦略として掲げる「Physical & Digital の融合」に基づく日本独自の取り組みで、都心部の店舗網とネットサービス体制を強化する。

豊玉南店は、西武池袋線・練馬駅と西武新宿線・野方駅の双方から1.5㎞ほど離れた住宅街に位置する。ファミリーレストランの跡地に出店したもので、敷地も建物もSMとしては狭小となった。1階の売場面積は同社で最小クラスの151坪となっている。足元の人口密度は高いものの、練馬駅・野方駅からは遠く、同店から両駅までの間にはSMの競合店も多い。
リアル店舗だけでは必ずしも魅力的な立地条件ではないが、環状7号線に面している。ネットスーパーの効率的なオペレーションを前提に設計し、配送エリアはリアル店舗の商圏を越え、高田馬場や目白など、山手線内の一部エリアもカバーする。
ドットコム事業本部オペレーションエクセレンス新サービス企画ダイレクターの寺本中氏は、「店舗とネットスーパーの双方で収益の最大化を目指す。リアルだけでなくネットの売上も前提に開発した最初の事例であり、このようなハイブリッド型店舗は、ウォルマートグループの中でも初めての試みになる」と語る。

日刊流通ジャーナル2016年6月24日号より抜粋