
エブリイホーミイホールディングス(岡﨑雅廣社長)はSM、外食が一体となった新しい業態づくりに取り組んでいる。生鮮品の鮮度、専門性の追求が軌道に乗り、SMのエブリイは16期連続の2ケタ増収、9期連続の増益を達成した。今期(17年9月期)はグループ売上高2000億円に向けた第4の創業のスタートとなる。グループ一丸となってGMSに挑戦し、来春、岡山市北区に「OKANAKA IKOCCA」を開設する。「21世紀型の地方の新しいライフスタイルセンターを目指す」(岡﨑社長)という。
6日に福山市内のホテルで取引先との交流会を開催し、岡﨑社長がグループ代表として16年6月期の業績と新年度の方針を説明した。
今年1月にグループのトップ人事を刷新し、新体制がスタートした。「ホールディングスの大きな目的は多様な販売チャネルをもつグループの力を結集し、新たな価値創造にチャレンジすることである。具体的には、農家から規格外のものを含め全量を買い取るもったいないプロジェクトや新たなビジネスモデルが誕生している。またグループ一括の人材採用と教育を行い、今年は127人が入社した」(岡﨑社長)
16年6月期のエブリイ単体の業績は売上高が12.8%増の683億8300万円、経常利益が1.3%増の22億5000万円となった。賃金体系を見直し人件費が増加したことで、利益は微増となったが、経常利益率は3%台(3.3%)を維持している。グループ全体では売上高750億円、経常利益25億円となった。
地方のライフスタイルセンター目指す
15年度はエンターテインメント化、レストランニーズの取り込み、宅配・通販の融合をスローガンに掲げ、新店5店を開設した。5月にはエブリイ研修センターを開設している。6月にオープンしたIKOCCA駅家店(福山市駅家)は内食と外食の融合に挑戦した新しいビジネスモデルである。
「社員はチャレンジ項目である外食の融合というものに、見事なチャレンジをしてくれた。産地との共生ゾーンがあるほか、専門ゾーンでは肉惣菜と焼き立てピザを付加した。いずれも超売れ筋となっている。さらに未来への挑戦として、全国のこだわり商品を集めた発掘の蔵をつくってくれた。これは将来、間違いなくグループの力になると確信している。そして驚いたのは、88席のイートインコーナーである。席が埋まらないかと心配したが、イベントの企画など社員の工夫でほぼ連日、満席状態だ。社員の力でつくってくれて、本当にありがたいと思っている」(同)
グループの動きとして産直の野菜を利用したイタリアンレストラン「ラソラ」をオープンしたほか、漁船の一艘買いでSMで販売しにくい魚介類を岡山地区の料亭、居酒屋で調理している。外食のホーミイダイニングは工場を増設し、過去最高の食数を記録すると同時に、SMの和惣菜を製造している。夕食材料を宅配するヨシケイ福山は、西日本地区のヨシケイグループで売上高が№1となった。

日刊流通ジャーナル2016年9月12日号より抜粋