ユニー・ファミリーマートホールディングス(上田準二社長)の事業会社、ユニー(佐古則男社長)は、GMS改革に向け、衣料・住関の「ライフスタイル提案」と、パワーカテゴリーによる「五十貨店化」を推進している。食品では、惣菜、ベーカリーの直営化を進め、コンセを含めた一体型売場づくりをめざしている。さらに新たな挑戦として、SMとコンビニエンスストアの機能を一体化させたローコストな小型業態の開発に取り組んでいる。来期中には愛知県内に実験第1号店を開設する。
――以下は佐古社長の発言要旨である。
ユニー・ファミリーマートHDが設立されて4ヵ月が経過した。私自身も副社長として週に2日程度の頻度でHD本部の会議に出て、お互いの方向性のすり合わせを進めている。
ユニーがこれからめざす方向は、次世代型の新しいフォーマットの確立である。GMSは1970年代から1980年代にかけて、人口の増加や消費需要の増大の中で、需要に供給が追い付かない状況を背景として成長発展してきた。衣食住という商品回転日数の異なる商品を一つの箱の中に強引に押し込み、セルフサービス、大量販売で売上を伸ばしてきた。
しかしその後、回転日数の長い商材について、カテゴリーキラーや大型専門店に次々と蚕食されてその地位が揺らいできた。人口の増加が止まり、減少していく状況がその傾向に拍車をかけている。
これからのGMSの方向性を考えると、「モノ」を売るだけではマーケットに限界が来る。これからは「コト」、すなわちサービスをどう提案していくかが重要になる。
お客さまにとって、「家」が生活のファーストプレイスだとすると、「学校」や「職場」がセカンドプレイスになる。これからは「家」以外に寛げる場所としての「コミュニティ」がサードプレイスになっていかねばならない。この「コミュニティ」機能を、どのような形でSCに組み込むかが課題になる。いまこれを具体的に煮詰めているところだ。
日刊流通ジャーナル2017年1月5日号より抜粋