いなげや(成瀬直人社長)は今春、価格訴求を強化した小型SM「ESBI」(エスビイ)とDrug.S「ウェルパーク」を一体化した新業態「ESBIプラス」の実験1号店をオープンする。生鮮、惣菜、加工食品はエスビイが、医薬品、日用雑貨はウェルパークが担当し、集中レジ方式にする。売場面積250坪規模のいなげやの小型SMを業態転換するもので、実験を通して今後の多店化の可能性を探る。
――以下は成瀬社長の発言要旨である。
「ESBIプラス」は、当初3月に開設する予定だったが、諸般の事情で4月ないし5月に開店がずれ込む。小型SMとDrug.Sを一体化し、壁面回りは生鮮、惣菜、中央は加工食品、医薬品、日用雑貨でレイアウトする。オペレーションは一体化してレジも統一する。ポイントカードもSMとDrug.Sは別々になっているが、この店の場合はSMに統一する。
ESBIとしては同店が4店目となる。この店の場合も、生鮮はアウトパック、惣菜はインストア加工する。「ESBIプラス」実験1号店での成果を検証し、手応えがあれば売場面積で200坪から250坪規模の既存小型SMを業態転換して多店化したい。またビジネスモデルとして展開できる可能性があれば新店でも挑戦していきたい。
改装は年50店ペースをエンドレスで
惣菜を柱に生鮮を強化する改装は今期も32店で実施した。期初予定は50店だったが、改装投資の効果が以前に比べて出にくくなっていることから、投資総額は変えず、1店あたりの投資額を増やした。
以前は改装して2年目、3年目も売上が伸びたが、このところその伸び率が鈍化している。競合他社も同様な改装を行っており、新店の開設も進んでいる。このことが影響しているようだ。今期は、これまで改装効果が出しにくかった年商10億円前後の店についても改装に取り組んだ。
「武蔵野西久保店」(東京都武蔵野市)、「江戸川船堀店」(東京都江戸川区)、「武蔵五日市店」(同西多摩郡五日市町)などは改装後2桁の伸びとなっており効果を上げている。商圏を徹底して見直し、地域に合わせて10パターンほどの改装モデルを設定し、商圏特性に応じて適用している。
改装は来期も50店程度実施する計画だ。それ以降も同程度のペースで改装に取り組む。当社にとって改装はエンドレスな課題だ。今期は、東京都武蔵村山市に精肉、惣菜のプロセスセンターを6月から8月にかけて稼働させた。惣菜は子会社「三浦屋」の商品も含めて製造している。なお今年4月には、同市に本格的な惣菜のプロセスセンターを開設する。さらに鮮魚プロセスセンターの製造能力が限界に近付いているため、増床を計画している。
日刊流通ジャーナル2017年1月12日号より抜粋